花粉症とビタミンD
リンとは
リンはリン酸として腸管で吸収されますが、その際にビタミンDが働いています。リン酸カルシウムとして骨や歯の成分となるため、骨や歯の正常な発達に不可欠な成分です。またリン脂質として細胞膜の構成成分になったり、核酸、アデノシン三リン酸としてなど、さまざまな形で生命活動に関わっています。
ですので、リンは生体にとって不可欠な栄養素であり、欠乏すると様々な障害をきたします。とくにリンが足りない状況が長く続くと、骨がもろくなる「骨軟化症」になることもあります。
一方これまでに報告された研究では、血清(血中の)リン濃度が高いほど心血管疾患や死亡のリスクが高く、この傾向は正常範囲のリン濃度でも認められているのです。そしてリンを摂りすぎるとカルシウムが吸収されにくくなることも知られています。リンは低くても高くてもダメということになります。
「リン」の取りすぎに注意
「リン」はタンパク質が多い食品に多い傾向にあり、また添加物(ハム・ソーセージ・清涼飲料水など)としても使用されています。現代では加工食品、冷凍食品やジュース、ハム・ソーセージをよく食べる方はリンを摂りすぎている可能性があります。
そういった方は食生活をみなおしてみましょう。例えば、牛乳より豆乳がおすすめです。なぜなら含まれているリンが約半分だからです。しかもアミノ酸スコア(食べ物に含まれる「タンパク質」の量と「必須アミノ酸」がバランス良く含まれているかを数字で表した指標)は100と優秀な食材です。
まとめ
加工食品や清涼飲料水をよく利用する方は注意しましょう。摂りすぎは心血管疾患や死亡のリスクを高めます。
リンと生命予後
Clinical Calcium (0917-5857)22巻10号 Page1515-1523(2012.09)