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イヌリンの効果(血糖値と便秘)

上村徳郎

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テーマ:便秘

食後の血糖値を下げる

イヌリンには腸内細菌叢の改善効果や大腸癌のリスク低減、血中脂質改善、血糖値改善などの効果があることが知られています。健康な20~59歳の男女50名を対象に行われた試験では、6週間継続摂取することで食後60分血糖値と食後0~90分血糖値を低く抑えることが示されています。

菊芋の継続摂取が健康な日本人の食後血糖値に及ぼす効果
診療と新薬 (0037-380X)58巻5号 Page399-406(2021.05)

便秘の改善


イヌリンは水溶性食物繊維として様々な機能性を有することが知られており、とくに整腸作用についてはビフィズス菌増加作用や排便習慣改善作用を中心に数多く報告されています。イヌリンを配合した茶飲料を4週間摂取させた結果、糞便中細菌叢のうち、ビフィズス菌の割合が有意に増加し、また排便回数5回未満の便秘傾向者では排便回数、排便量の変化量が有意に増加しました。

イヌリンは小腸までの上部消化管ではほとんど分解されずに大腸に到達

大腸に到達したイヌリンはビフィズス菌や乳酸菌などイヌリンを分解する酵素を有する腸内細菌により利用

糞便中のビフィズス菌などの割合が増加

腸内でビフィズス菌や乳酸菌などの有用菌(いわゆる善玉菌)の割合が増加し腸内フローラのバランスが改善


ビフィズス菌はイヌリンを利用し、代謝産物として酢酸、プロピオン酸、酪酸などの各種短鎖脂肪酸を産生

プロピオン酸は腸の蠕動運動を亢進

排便習慣が改善



食後の血糖値を下げ、便秘も改善してくれる「イヌリン」。
入手しやすく、ほぼ無味の水溶性なので飲み物や汁物にあとから入れて摂取しやすいことも特長です。「菊芋」に多く含まれていますが、イモとしてよりも「イヌリン」として粉末で摂取するほうが継続しやすいと思います。血糖値や便秘が気になるかたは試してみてはいかがでしょうか。

Fuji FF(イヌリン)を配合した茶飲料摂取による腸内フローラバランス改善および排便習慣改善作用 ランダム化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー比較試験
薬理と治療 (0386-3603)47巻3号 Page479-483(2019.03)

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上村徳郎
専門家

上村徳郎(内科・腎臓内科医)

医療法人愛徳会 上村内科クリニック

内科・腎臓内科の治療を専門にさまざまな病気の要因となる生活習慣病の予防にも力を入れています。生活習慣病に関わる食生活や栄養の見直しを予防の基本とし、食事法などをアドバイス。テレビ番組などの医療監修も。

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