花粉症とビタミンD
お茶
お茶は抗酸化、脂質代謝改善、血圧上昇抑制、抗菌、抗ウイルス、消臭など多くの作用が報告されており、とくに茶カテキン類(茶に含まれるフラボノイド類の1種)の機能性については多くの研究例があります。
メチル化カテキンとは
茶の品種では紅茶系品種「べにほまれ(茶農林1号)」や台湾系統の茶に強いヒスタミン遊離抑制作用(抗アレルギー作用)が認められており、その作用する物質をメチル化カテキンといいます。
通年性アレルギー性鼻炎の患者さんでの試験で、べにふうき緑茶(メチル化カテキンが多い)を12週間続けて飲用してもらった結果、くしゃみ、鼻汁などの鼻症状や目のかゆみ、流涙などの眼症状において、メチル化カテキンを含まない緑茶摂取群に比べて有意に軽症で推移しました。
またスギ花粉症状があって、薬の治療を受けていないボランティアの試験では、花粉飛散の増加とともに鼻の症状(くしゃみ、鼻汁、鼻づまり)、眼の症状は悪化しましたが、べにふうき緑茶を飲用している群はメチル化カテキンを含まない緑茶を飲用している群に比べて有意に症状スコアの改善が認められました。とくに、くしゃみ、鼻汁、目のかゆみで効果がありました。
緑茶の健康機能性とそれを活用した機能性表示食品開発
医学のあゆみ (0039-2359)270巻8号 Page611-616(2019.08)
ヨーグルト
花粉症増加の理由として、過度な衛生的生活環境や、食生活の変化などによって腸内細菌が乱れてしまったために免疫のバランスが崩れてしまったことも原因の1つと考えられています。
(L.rhamnosusGG株とL.gasseri TMC0356株で作成された)プロバイオティクス群では、プラセボ(有効成分なし、偽薬)群と比較して開始6週日から花粉症の症状を抑制し、9週目、10週目で統計的有意に改善する結果が認められました。
プロバイオティクス群では腸内細菌叢の多様化が促され、細菌叢の構成が変動したことで一部のアレルギー症状を間接的に和らげたためと考えられています。
プロバイオティクスとアレルギー 腸内細菌との関わり
アレルギー (0021-4884)67巻3号 Page197-201(2018.05)
ビオチンを含む食べ物
ビオチンは鶏レバー、豚レバー、卵黄、大豆、しいたけ等に多く含まれている、水溶性ビタミンB群の一種です。
これまでビオチン欠乏は、皮膚炎やクローン病等の炎症性疾患に関連することが示されてきました。小学生で総IgE、8種類の特異IgE、ビオチンを測定し、アンケート調査によりアレルギー 疾患の有無と生活環境、習慣等を調査した試験では、ビオチン値と総lgE、スギ特異lgE値、スギ花粉症が有意な関連を示しており、IgE産生の過程にビオチン代謝が何らかの影響を与えている可能性があると考えられました。
小学生の血清ビオチン値とアレルギー感作、スギ花粉症との関連
ビタミン (0006-386X)86巻4号 Page276(2012.04)
これらの摂取を長期的に続けることで花粉症の症状が緩和される可能性があります。今から始めてみてはいかがでしょうか。