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「昔はこうだった」を乗り越えるために

谷川由紀

谷川由紀

テーマ:対人関係

「我慢しすぎない」職場づくりのために


「人は自分が我慢した分だけ、他人に不機嫌になる生き物」
この言葉を、私は職場の風土づくりをテーマにお伝えするときによく思い出します。

たとえば、職場で「本当は無理なのに引き受けた仕事」や、家庭で「自分の時間を削ってまで相手に合わせたこと」。
その瞬間は「まあ、いいか」と思えても、心には小さな棘のように残り、やがて相手の言葉や態度に敏感に反応してしまう。
結果として、不機嫌が態度ににじみ出てしまうのです。

大切なのは、自分を幸せにすること。
相手に優しく、寛容でいるためには、まず自分自身が心地よく過ごせていることが前提ではないでしょうか。
自分を犠牲にした優しさは長続きせず、むしろ関係を壊してしまうことさえあります。

「本当は嫌だったのに…」
「なんで私ばかり…」

そうした気持ちが積み重なる前に、無理なときは「無理」と伝える、自分を雑に扱わないなど、できることから始めたいのです。

「昔はこうだった」の声とどう向き合うか


職場では「昔はこうだった」「自分の時代は休めなかった」「背中を見て学ぶのが当たり前」といった声があがります。
人は、自分の経験を正当化したい生き物でもあり、その“我慢”を他人にも強いてしまうことがあるのかもしれません。

「我慢が美徳」という考えから、「自分を大切にすることが周りも幸せにする」へ。
この転換が、これからの職場風土づくりに欠かせない視点だと思います。

「我慢を少なくする」という発想


もちろん、努力や頑張りは必要です。
甘やかすのではなく、成長のために挑戦は欠かせません。

けれど「我慢」を美徳としすぎると、不機嫌や不満が職場に広がり、人間関係を壊してしまいます。
だから私は、賛否両論あるかもしれませんが、「我慢する」という場面をできるだけ少なくしていくことこそ、より良い職場づくりにつながると考えています。

登壇を通じて


こうした考えを伝える機会として、今年度も 岡山県主催「男性育児休業取得促進奨励金」セミナーおよびパネルディスカッションのファシリテーターとして登壇しています。

(詳細)岡山県男性育児休業取得等促進事業(経営層向けセミナー)
 https://www.pref.okayama.jp/page/916223.html

「男性育休」というテーマもまた、
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「自分は取れなかったのに」
「昔はこうだった」
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そんな声があがりやすい分野です。

けれど大切なのは「過去との比較」ではなく、今の働く人たちが安心して力を発揮できる環境をどうつくるか。
我慢を強いるのではなく、努力を応援できる風土へ
――そのために「お互い様の風土づくり」の視点は欠かせないと改めて感じました。

「昔はこうだった」という価値観を尊重しつつも、次の世代の働き方に合った仕組みをつくること。我慢よりも協力と理解を重んじる職場へ。

これからも学びと登壇を通じて、誰もが「仕事が楽しい」と思える職場づくりを応援していきたいと思います。

頑張るところは頑張る。
でも「我慢しすぎない」。

そのバランスこそが、人間関係と職場の空気をやわらかくする鍵だと信じています。




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谷川由紀
専門家

谷川由紀(社会保険労務士)

高松太田社労士事務所

社会保険労務士としての知識と実績を元に、人材不足対策の要となる働き方改革支援や女性活躍推進、高齢者、外国人等の多様な人材活用コンサルティングに強みをもつ。県内外でアンガーマネジメント研修等に多数登壇。

谷川由紀プロはテレビせとうちが厳正なる審査をした登録専門家です

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