【梅雨から夏を元気に乗り切る薬膳養生】梅の酵素シロップで梅雨の健康管理を!

インフルエンザや風邪が流行する季節になると、「同じ環境にいても、かかりやすい人と跳ね返せる人がいるのはなぜだろう?」と疑問に思うことはありませんか?
中医学では、この違いを「衛気(えき)」というバリア機能の差だという考え方があります。
今回は、体の防衛線である衛気の仕組みと、それを高める日常の養生法、さらに予防について少し書いておきます。
体を護る見えないバリア「衛気(えき)」とは?

中医学において、体内を巡るエネルギーである「気」にはさまざまな役割があります。
その中で、皮膚や粘膜の表面を巡り、外敵(ウイルスや細菌、寒さなどの病邪)の侵入を防ぐバリアとして働くのが「衛気(えき)」です。
衛気がしっかり充実していれば、ウイルスが周囲で流行していても水際でシャットアウトできます。
反対に、衛気が低下すると「風邪を引きやすい」「一度引くとなかなか治らない」「自汗(じかん:大して動いていないのに汗が出る)」といった症状が現れやすくなります。
衛気を高める日常の養生法(食養生・生活習慣)

衛気は「肺(呼吸器・皮膚)」と深く関係しており、その源は「脾胃(消化器官)」で作られるエネルギーにあります。
日頃の生活で胃腸を労わり、肺を養うことが衛気を高める第一歩です。
① 食養生:胃腸を温め、気を補う食材を摂る
気を補う(補気)食材:山芋、かぼちゃ、さつまいも
肺を養う食材:レンコン、白きくらげ、梨
体を温め巡りを良くする食材:生姜、ネギ、シソ、ニンニク
※冷たい飲食や生冷物は脾胃を痛め、気の生成を邪魔するため、冬場は温かい加熱料理を中心に選びましょう。
② 生活習慣:適度な睡眠と適切な加湿
十分な睡眠:気は夜間に作られ、蓄えられます。夜更かしは衛気を著しく消耗します。
皮膚・粘膜の保湿:乾燥は「肺」の大敵です。室内の湿度を50〜60%に保ち、喉や鼻の粘膜バリアを維持しましょう。
防御の要を補強する処方「玉屏風散(ぎょくびょうふさん)」

衛気が生まれつき弱い方や、疲労でバリアが薄くなっている方に用いられる代表的な漢方処方が「玉屏風散(ぎょくびょうふさん)」です。
名前にある「屏風(びょうぶ)」の通り、「玉(玉のように貴重な)屏風を立てて風邪を防ぐ」という意味が込められています。
黄耆と白朮で内側と体表のバリアを固め、防風で寄ってきた外敵を払い飛ばすという、非常に合理的かつシンプルな3味の構成です。
※こんな方におすすめ:風邪を引きやすい、疲れやすく風邪をもらいやすい、季節の変わり目に体調を崩す、汗をかきやすい体質の方の事前予防策として用いられます。
流行期の心強い味方「板藍根(ばんらんこん)」

中国では「冬の家庭の常備生薬」として広く知られているのが「板藍根(ばんらんこん)」です。
アブラナ科のホソバタイセイなどの根を乾燥させたもので、清熱解毒の代表格です。
玉屏風散が「バリアを強くして入れないための予防(補気)」であるのに対し、板藍根は手洗いうがいのような意味合いで使われます。
日頃の「衛気養生」と賢い漢方の活用で予防対策
感染症対策は、手指消毒やマスクといった外側からの対策だけでなく、「自分の体のバリア(衛気)をいかに高く保つか」という内側からのアプローチが欠かせません。
・日頃から胃腸を労わり、睡眠をしっかりとって衛気を育てる
・虚弱体質や風邪を引きやすい方は「玉屏風散」でベースのバリアを固める
・流行期や喉の違和感には「板藍根」をスポットで取り入れる
自分の体質や時期に合わせた養生を取り入れて、ウイルスに負けない健やかな冬を過ごしましょう。


