「透明」に色付く現代社会
第一生命保険に勤めていた89歳の元保険外交員女性が、詐欺容疑事件を起こした。
顧客に架空の資産運用の話を持ち掛け、19億円以上をだましとった疑い。
このもと外交員は解雇されるまで、社内で唯一の「特別調査役」という肩書を与えられ
社内に大きな影響力を有していた。
特別待遇と権勢を暗黙知に認めていたのは、50年以上にわたり成績優秀者であったことが
理由らしい。
3年前にも外部から指摘を受けながら、会社はそれを放置同然としていた。
会社の杜撰な管理体制と、売り上げ至上主義体質が、19億円以上の詐欺事件を
導いたのであろう。
すでに刑事告訴されたそうであるが、人生100年時代と言われる中で
89歳のこの女性にとっては、残りは辛い終焉のみであろう。