「透明」に色付く現代社会
先日、金沢で元小結・現NHK解説者である舞の海さんの講演を拝聴してきた。
その講演から、意外にも「いち早くビデオ判定を導入したのは日本相撲協会だった
ことを知った。
今からちょうど50年前の1969年春場所2日目に、横綱大鵬と戸田の対戦があり
(戸田はのちに、小結羽黒岩となる) 戸田は大鵬の連勝を45で止める大金星を挙げた。
行事の22代式守伊之助は大鵬に軍配を上げたが、物言いがつき、協議の結果
行事差し違いで戸田の勝利となった。
しかし、この日午後7時のNHKニュースで、この一番をスローモーションで放送。
大誤審であることが判り、大騒ぎとなった。
日本相撲協会には抗議の電話が鳴り続き、横砂大鵬の方には「気を落とすな」等の
励ましの電報が多く届いた。
この一戦の7日後の「琴桜・海乃山戦」でも、誤審騒動が起きた。
日本相撲協会は、この誤審騒動に対して素早く動き、翌場所から「ビデオ判定」を導入した。
導入された翌5月場所2日目には、早くもビデオ判定が使われた。
日本相撲協会というと、「古めかしい、旧態依然・・」という印象があるが
勝負の判定には、いち早く先進技術を導入している。
いま「ビデオ判定を導入すべきだ」と、話題になっている世界卓球協会の方が
旧態依然で時代遅れの組織なのかもしれない。