「透明」に色付く現代社会
この方の名前を知らない人は、もういないであろう。
今年8月山口県で行方不明になった2歳の子供を、たった一人で山中に分け入り
30分ほどで無事発見したことから、一躍時の人となった。
23日夜のTBS系番組「情熱大陸」で、この尾畠さんの素顔を知ることが出来た。
小学校5年生の時に母親は41歳の若さで他界。7兄弟の苦しい家計の中で
大飯喰らいという理由で、4番目の尾畠さんは小学校5年で農家に奉公に出される。
中学校は通算して4ヶ月しか通えなかったのも、全て生きるためであった。
それでも彼は腐らず「世の中なるようにしかならない。やるだけやってやろう」という
精神を貫き通し生きていく。
そんな尾畑さんが、今一番望むことは「お袋に想いっきり抱きしめてもらいたい」とか。
もうすぐ79歳になる男は、一番認めてもらいたい人は
会うことが叶わぬ母親であったのだろう。
番組の中で、尾畠さんが発した「かけた恩は水に流せ! 受けた恩は石に刻め! 」が
自然と筆者の頭の中に刻み込まれた、いや心に浸みてきたのである。
悲しい出来事が続く中で、久しぶりに心を洗われた人物に出会った。