消えていく「盆踊り」
昨日のコラムに続いて、今日も「フォッサマグナ・糸魚川-静岡構造線」について。
断層が見られる延長線上に日本酒の蔵元があることを発見。
境界線を示す白線の左手向こう側に酒蔵が見える
早々に訪ねてみると、そこは創業明治元年の合名会社渡辺酒造店で
ちょうど今年で創業150年になる老舗の酒蔵。
そして、その敷地内にあのフォッサマグナが走っている。
その酒蔵を囲むようにして、無農薬栽培の自社用酒米(五百万石)の田園が広がる。
4月の種まきから米作りが始まり、9月の収穫が終わると直ぐに酒造りを始める・・
というこだわりの蔵元である。
今年の春に、新たな豊醸蔵が完成したが、自社所有の林からスギを伐り出し
この地域の木材と石と土のみを使い、さらに地元職人により5年の歳月をかけて
作り上げた、こだわりの蔵であった。
敷地内を走るフォッサマグナの東西では、井戸から湧き出る水の質も違うとか。
西側は岩盤が堅いため、マイルドな水。方や東側は粘土質のため硬質の水。
酒造りには、西側から湧きだす水が欠かせないとのことである。
手前タンクの右側を境界線(フォッサマグナ)が走っている
この谷に広がる里山は、冬の豪雪は酒造りに適した地下水をもたらし
昼は山に向かって爽やかな風が吹き上げ、夜は反対に山から田園に吹きおろす。
夏には稲を日中の暑さから守り、米作りに欠かせない寒暖差を作り出している。
まさに日本の境界線が、この小さな集落を守り独自の酒造り文化を生み出したようである。
そして、いつまでも、そっとしてあげたい里山でもあった。