大富豪が、ばらまく二酸化炭素
先日、金沢で国際シンポジウム「新しい都市の未来」が開催され、金沢の生態系と文化の多様性を保全、活用することに対して国内外の専門家が集まり、活発な意見交換がなされました。
このシンポジウムは、国連大学サスティナビリティ高等研究所いしかわ・かなざわオペーレーティング・ユニット(UNK-IAS OUIK) 等が主催したものです。
この中で、この55年間の間に金沢城公園に生息する植物は337種から656種に大きく増えていること。
また、犀川と辰巳用水が街の生態系や景観の豊かさを生出していること 等々多くの事例報告がされました。
一方で、人の手が加わることでバランスが維持されてきた自然が荒廃して来ていると警告も鳴らしています。
これらのシンポジウムの報告から、筆者はお元気の頃にお目にかかった故筑紫哲也さんの言葉を思い出しました。
その言葉は以下の通りです。
「漆のことを英語ではジャパンといいます。最近はどうも里山が以前のようなジャパンではなくなってきたように感じます。日本人は漆の木を里山のような場所で植え育て、漆器として、世界に通ずる日本(ジャパン)の代表的な文化へと育て上げました。しかし、最近ではその里山が荒廃し、熊や猪などの獣と人間の境が解りづらくなってきています。たぶん獣達も境が解らず、人の住む地域に下りてくる危険があります。里山は何時までも、人の手を加えることが必要です。」
残念ながら筑紫さんの警鐘にもかかわらず、その後も里山は荒れ続け、人は熊や猪などの被害に苦労しているのが、今の姿です。
金沢の街をこよなく愛した筑紫さんの思いを次の世代つなげるためにも、このシンポジウムのような取り組みを継続的に続け、全国に向けて発信して欲しいと考えます。
また、このシンポジウムでのお弁当は、このコラムで何度もご登場いただいた金沢キッチンさんがご用命をいただいたそうです。
これも日頃から食の安全や、環境問題に積極的に取り組まれている金沢キッチンさんが高く評価された証と思います。
金沢キッチンさんのHP http://www.kanazawa-k.net/