大富豪が、ばらまく二酸化炭素
いきなり世の中の趨勢と矛盾した標題となっていますが、詳しくは以下の通りにご説明いたします。
先日( 7月2日 ) 石川県立大学で開催された「生物資源工学研究所シンポジウム」に参加してきました。数多くの講演がありましたが、筆者は仕事柄「人口減少におけるごみ処理と資源化」のお話に、特に関心を持って拝聴させていただきました。
発表されたのは、同大学環境生物工学研究講師・工学博士の楠部先生です。
その講演主旨としては・・・
①2010年をピークに我国は人口減少期に入り、人口減少率が高い地域では40~50%の人口減が予想される。併せて高齢化が進むことにより、地方の自治体は税収と支出のバランスが今以上に逼迫したものとなり、地域住民には十分なサービスを提供維持することが不可能となり、最悪の場合には自治体の存続にかかわることも予想される。
②2000年以降、多くの地域でごみの分別化が進んだ結果、ごみの資源化が進んだ反面、ごみ処理サービスが多様化し、焼却ごみが減少している。この急激なごみ減少はごみ焼却施設の運用に大きな影響を与えており、施設を維持するための最低限のごみが確保できなくなる危険を含んでいる。要は、標題の「ごみが足りない ! 」となるわけです。
③更に深刻な問題として、直近10~20年の間にごみ焼却施設の60%以上が更新=立て直しを迎えることにより、今までの発想の延長での建設はできない。大幅な人口減を正確に検証し、地域事情に沿った具体的対策を行う必要がある。施設を維持する目安として、その地域人口は10万人以上、1日当たり100tの焼却ごみが必要になる。
このコラムをお読みになった方は、どのようなご感想、お考えをお持ちになったでしょうか?
このままの流れでいくと、「人口減 → ごみ不足=焼却施設の維持や更新ができない」 という、最悪のシナリオも考えられます。
この「ごみが足りない!」は、3回のシリーズでご紹介したいと思います。