大富豪が、ばらまく二酸化炭素
Yahoo写真より
約1年半前に、文化勲章受章者で建築家の安藤忠雄さんにお目にかかり、お話も伺う機会がありました。
70歳を超え、直前に大病をされたとは思えないような、圧倒されるようなエネルギッシュな方というのが、第一印象です。
今はだれもが知る世界的建築家ですが、高校2年の時にプロボクサーのライセンスを取得しチャンピオンを目指していたこと。
しかし、ファイティング原田の練習風景を見て、その才能に圧倒されプロボクサーを諦めたこと。
大学は行かず独学で建築家をめざし、ハーバード大学客員教授、東京大学教授(現在は名誉教授) 等々に就任したこと。
他にも数多くのエピソードがあり、その波乱万丈の人生には、ただ驚くばかりです。
安藤忠雄さんは、環境問題にも熱心に取り組まれ、東京湾の埋め立て地に植樹するという「海の森プロジェクト」を立ち上げ、東日本大震災では、復興の第一歩として、被災地の人々の心を束ねる「復興の森」づくりを提唱されています。
著書「安藤忠雄仕事をつくる」の中で、以下のように書かれています。
「安全な高台や、瓦礫の山に草花の種をまき、苗を育て、各地の植生に適した木を植える。亡くなった人々を鎮めるために、地元の人々と共に「ふるさとの森」を育てていく計画だ。」
安藤忠雄さんの環境問題に対する姿勢には、10年先、30年先、50年先を見据えたこの国の在り方、次世代を支えていく子供達の事を思う、熱い情熱と信念を感じます。
また、上述の著書の中で、若き頃建築の勉強のため国内外を建築行脚されていたことが書かれています。
その中で以下の事が書かれています。
「各地に点在する伝統建築、とりわけ白川郷、飛騨高山といった土着の民家の空間にも心惹かれた。特に、月明かりの下、民家の中で闇に吸い込まれるようにそそり立つ大黒柱には、現代の建築では味わえない感動を覚えた。人々の生活が空間に結実し、それが自然と一体となってつくりだす風景。本当に美しかった。」
安藤忠雄さんが感動した、その大黒柱の写真を添付いたします。
白川郷にて
日本の原風景ともいえる森や集落の風景は、大切にいつまでも残っていて欲しいと願うばかりです。