もう一つの「12月24日」は・・・
金沢市北部に二日市町という町がありますが、そこに日本で唯一「香辛料の神」を祭る,、波自加弥( はじかみ )神社があります。創建は奈良時代の養老2年( 718年 )。
当時この地方が大干ばつに見舞われた時、この地にあった湧水黄金清水が干しあがり、国造( くにのみやつこ ) が雨乞いのため籠ると37日目にその霊水が湧き出し人々は救われたとのこと。長く続いた干ばつのため、感謝するお供え物が見当たらなかったが、たまたま付近に自生していた「生姜」を捧げたことが由来となっています。
ちなみに、この黄金清水は現在も、現在地より2キロ後方の山手に存在しているそうです。
神様は香辛料
この生姜を献じて感謝のお祀りを行った日が、6月15日であったことから、今日まで「生姜祭り」として連綿と続けられています。
江戸時代には、加賀、越中、能登の料理店主は全てお参りしたといわれ、生姜の薬効から医薬の神様としての信仰も篤く、医師や薬屋も参拝していたと伝えられています。
黄金清水から取水したお水による湯立神事
筆者も、6月15日の大祭へ初めてお参りをさせていただきました。
地元氏子の方々、食品業界、農業関係はもちろんのこと、北陸放送さんをはじめとして各放送局、新聞社等 多くの報道関係者も取材に来られ大変賑やかなお祭りでした。
また、若い女性の方を多く見かけましたが、数日前にラジオ番組で某超有名男性シンガーソングライター・F氏がこの祭りの事を話題に取り上げたとのことが理由のようで、京都、岐阜 等から駆けつけて来た・・とのことです。
参拝者には湯立神事で調製された生姜湯が振る舞われます
今日では、北陸地方は「水不足」で苦労することはありませんが、今年は暖冬による山岳地帯の積雪不足が影響し、ダムの貯水率が低いことが報じられています。
先般の熊本大地震では、被災者の方々は「生活水」の確保に、大変ご苦労されたことはご承知の通りです。
この1300年間も連綿と続く「水の感謝」は、現代社会に生きる私たちが何気なく毎日使っている「水」に対して、時には向き合ってみることの大切さの警鐘かも知れません。
大祭に参拝して、「水」「環境」に関わる当社も、いま一度真摯に向きあってみる必要があると心を新たに致しました。