あん ~小豆~

椎結子

椎結子

テーマ:食養生

先日紹介した、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』。
冒頭に、小豆を煮ている様子が大写しになっているのを見たときに、
映画『あん』を思い出しました。

どちらも、餡(あん)作る場面ですが、
共通していることは、煮ながら小豆に意識を向け、声をかけ
大切に煮ていることでした。

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』では、
和菓子屋「たちばな」の餡は毎朝、店主が唱え言葉を言い、
職人達に見守られながら作られていました。
その餡は、「安子」から「るい」へと引き継がれ、
後に京都の地で、回転焼きとなり、その美味しい餡は
生活を支えるようになりました。

映画『あん』では、どら焼き屋「どら春」で
樹木希林さん演じる徳江さんが、煮ながら小豆に声をかけていました。

材料と作り方をレシピ通りに作っても、同じ味になりにくいのは
素材の違いもありますが、経験者には、周知の事実です。
上手い下手も勿論あって、美味しくできあがることに越したことはないのですが
初心者でもできる事は、こころを込めてつくること。

声をかけたり、こころを込めたり、意識を向けることは
思っている以上に、大切な要因のようです。
そして、人の手が入っている・・・という事も。

日本では、小豆には邪気を払う力があると信じられていて
例えば、正月十五日に小豆粥を食べたり、彼岸のおはぎ。
お祝い事に、赤飯を炊いたり、紅白まんじゅうを配る習慣があります。
『カムカムエヴリバディ』でも、
出産祝いに店主が紅白まんじゅうを届ける場面がありました。
出来たてと思われる映像は、とても美味しそうでした。

小豆や餡の好きな方は多いですが、
今、和菓子はケーキなどの洋菓子に押されているようにも感じます。

明石にも和菓子の老舗が幾つかありますが
最近わたしが感動したのは、時楽(じらく)というこしあんの蒸し饅頭でした。
外皮に刻印があるのに気付き、何かと調べてみたら
それは香道で用いられる、源氏香の図の『明石』でした。
お店の商品案内にも説明はなく、気付いた人だけの楽しみなのかもしれません。
期間限定のこしあん饅頭ですが、店頭では、まだ出会えるかもしれません。

小豆や餡の、日本の食文化が大切に守られ
続くことを、願っています。

食べることは、生きること。
わたし達のからだは、食べたもので出来ています。


「三世代の女性たち、100年の物語 ~家族の物語~(2025-2-14)」
https://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/5185052/

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