『ピアノの森』(人生は美しい①)

椎結子

椎結子

テーマ:The Sence of Wonder

この数ヶ月、魅了されて没頭していた作品がありました。
それは、『ピアノの森』という青年漫画。
作者は、一色まことさん。

電子版で出会い、作品チケットを使って毎日少しずつ読んでいたのですが、
1話読むごと、話が進むごとに、どんどん没入していきました。
そして、全241話を読み終わっても、こころの震えが止まらず、
また、1話から読み直しはじめています。

電子版の良さを享受しながら、いつでも手にとって読める紙の手触りも欲しく、
コミック誌も探して揃えてしまいました。

1998年から2015年まで、不定期連載や休載を経て18年を費やされて完結されたこの作品。
読む人ごとに、こころに触れる部分が異なることがあっても、
泣きながら読んでいる方が、多いようでした。
それは、電子版のコメント機能から知ることが出来たことでした。

作者の、一色まことさんの信条は
「読む人にとって作品は、作者と関係ないところで存在してほしい」
だそうです。
読み終わった後に、探して読んだインタビュー記事の内容も興味深いものでした。

・生まれ育つ環境について

・ハードとソフトの関係で、可能性は変わること

・親と子の間に、無意識に伝播していく意識の流れについて

・他人の悪意も、回り巡って善に導かれること

・ものごとの見方を変えれば、白黒は逆転すること

・人と交わることで経験することができる、喜怒哀楽の必要性

・人と繋がっていくことで生まれてくるもの

・ものごとの運・不運や、籤(くじ)のもつ力

・自分を信じるられるということ

そして

・愛と許しと、感謝

などなど。

沢山のことが、表情豊かな人物から、言葉から
素晴らしい自然・背景描写から、伝わってくるのでした。
音楽に造詣が深い人には、その知識の上に存分に読まれていたのではないでしょうか。
作中の音楽を流しながら読んでいた方もいらっしゃるようでした。
わたしのように、ほとんどの音楽作品を知らない者でも、この作品の画面から
ピアノの世界に入っていくようでした。
時にはこのピアノはどんな曲なのだろうかと、調べて聴くこともありました。

過去に、映画やTVドラマにもなっていたことを知り、
そのリアルタイムでこの作品に出会っていなかったことを、最初は残念に思っていました。
けれども、1度目を読み終わってみると、それらを観ていないことがかえってよかったと、
今は思っています。

文章だけではなく、絵があることで、更に感動が大きくなる。
この素晴らしい漫画に出会って、人生は美しいという思いが、深い所から湧きあがりました。


この作品は、
第12回(平成20年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞しています。
(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)


参照:「モーニング」21・22合併号(2020年4月23日発売)インタビュー記事


*****
「上手くいった時は、運が良かっただけ?(2010-6-15)」
https://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/2810205/

『捉え方を変えてみる(2010-06-20)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/10574/

『欠点を長所に。(2010-06-21)』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/10596/

『「~のおかげで」と「~のせいで」(2010-07-03) 』
http://mbp-japan.com/hyogo/yu-cocoro/column/10927/

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