自分の足音を聞く
先日、ドキュメンタリー映画『Pale Blue Dot 君が微笑めば、』を鑑賞しました。デザイン・クリエイティブセンター神戸(KII)で行われた上映会には、西嶋監督とアクアフォトミクス創設者のツェンコヴァ神戸大学教授の、対談講演会の時間も用意されていました。
西嶋航司監督は、神戸市出身。ブルガリア生まれのツェンコヴァ・ルミアナ教授は、現在神戸市在住。そんな神戸にご縁のあるお二人と、神戸の地で共有できた時間は、作品にまるっと包み込まれるような時間でした。それは他の場所で観たときとは異なった感覚でした。
「Pale Blue Dot 」とは、1990年に約60億キロメートルのかなたからボイジャー1号によって撮影された地球の写真のこと(Wikipediaより)。漆黒の宇宙の闇の中に小さく写った地球は、淡い青に輝いていた。地球の「水」存在で、青く見えていた。
西嶋監督の中に積もったご縁を繋がれた作品は、「水」によって映されたいのちの世界でした。
ツェンコヴァ教授は、わたし達人間の体の70%は「水」で出来ている。その水が鏡であるならば、お互いを映し出しているのではないか。そこから生まれる循環こそが、、、。
2005年に提唱された新しい科学分野アクアフォトミクス。対談の際には、それを水光道(みこうどう)と表現されました。「水」は物質やエネルギーを映し出す鏡である。分子を水と光によって計測し分析するその研究は、プラットフォームとして幅広い分野に応用されています。
今週末の11月16-17日、神戸大学にて第4回 日本アクアフォトミクス学会が開催されます。16日には無料の市民講座もあります。会場参加登録は、満席のため既に締め切られていますが、後日アクアフォトミクスYouTubeチャンネル」にてアーカイブ配信予定のようです。
*アクアフォトミクスとは?
『Pale Blue Dot 君が微笑めば、』は、劇場映画ではなく、自主上映されている作品のため上映予定はHPに都度掲載されます。兵庫県では、12月7日に芦屋で上映会が予定されているようです。
観る都度に新しいものに気づく、感じる作品ともいわれています。
撮影はコロナの時に行われているため、あのころの様子も映し出されています。人が自由に行き来しにくかったあの時間は「水」の動きも滞ったのだと、今回の新たな気づきでした。水の性質や役割をおもうとき、そのことの意味することについて考えるのも、大切なことなのだと思っています。