不器用はハンデではない
それをする目的はなに?
人間の意識はなかなか集中しにくいものらしく
例えば動かない状態で
「背骨を上下に伸ばして坐骨を押す」
と言えば、ある程度、体の位置認識が出来ている人ならば
意識を逸らさずにできる。
ところが、これに動きが伴った状態になると
違う方向に意識が囚われて
大きな目的とする意識がどこかに飛んでしまう。
動きの中で、自分が本来行おうとしていることが
それでは活かせず
いつまでもできない。
何を大事にして練習するかの目的を明確に持たなければ
どれもうまくいかない。
「〇○がうまくできるようになりたい」
というのは希望であって目的ではない。
〇〇ができるようになるために
まず△を意識してする、というように
自分の体の中の感覚としての明確さを持たなければ
たまたまできたとしても、それはまぐれであって
間違いなくそれができる実感とはならない。
自分自身のコントロールでできたものでなければ
自分が行いたいときに必ずできる成功率はかなり低くなる。
「背骨を上下に伸ばして坐骨を押す」だけを意識してもらったグランプリエ。
来られてまだひと月目の方だが
最初はしゃがむようなプリエで、脚にパンパンに力が入っていた。
膝も楽に伸びなかったが、意識を明確に持ってもらうことで
まだ改善していくところはあるものの
無理なくプリエが出来た。
いったん意識が明確になると
今までにできなかったような5番もできた。
無理もきつさもない。