姿勢と「丁寧に扱う」意識は一生もの

うまさきせつこ

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テーマ:心と体にいいこと

姿勢と「丁寧に扱う」意識は一生もの

東京のWSで、普段は特別なことがない限りは
大人だけでやっているが
何度かいらしている方が、お子さんの体について
随分悩まれていたので、一緒においで頂いた。

お母さまのお話をお聞きした限りでは、かなりひどい状態を想像していたが
思っていたよりずっといい状態に見えた。
ごく当たり前の子供の姿勢の範疇だと思った。
それを言ったら、お母様が泣かれた。
ご自分が良かれと思ってさせたことが、かえって悪い方に作用していると
ある方に言われたらしく、責任を感じておられたようである。

私が定期的にずっと見て行けるわけではないので、迷ったが
子供が自分の体を前向きにとらえていけるきっかけにはしてもらえるかもしれない。
子供でも、自分の体は自分で守る意識を持ってほしいと思った。
親のせいでも先生のせいでもなく、体は自分自身が作っていくものである。
今までできなかったことが出来て、「私もこんなことができるんだ」と
自信を持ってくれたようだ。

特殊な体の形状でもなんでもなく、単に姿勢が悪かったのを直すすべを知らずに
姿勢をよくさせようと行かせたところが、姿勢を直す前に難しいことをやっているので
出来ない体の状態のまま、一生懸命頑張っていたら
あちこち支障が出てきた、と言うことだろう。

人はそれぞれの骨格があるが
どんな人でも「生まれつき」と片づけてしまえば
「だったら仕方がない」と甘受してしまう。
医者が「生まれつきそうなのだから仕方ないね」と言えば、殆どの人はあきらめる。
ましてこの子は、「生まれつき〇〇」の類でもない。

でも・・
姿勢を意識してよくすることを心がけるのを日常とするか
全くそのまま放っておくのとでは、しないよりしたほうが間違いなくいい方向に向くと
私は思っている。

ただ
「姿勢をよくしなさい」
と、口を酸っぱくして言っても
姿勢をよくすると言うのはどんなふうにするのか、教えないままに
叱るだけでは
子供はどうすればいいのかわからないし、
わからないことを注意し続けられると嫌になってしまう。
どんなふうに、どこをどう注意するのか
きちんと教えていかなければ変わらないどころか、どんどんひどくなる。

楽な状態で寝ること、坐骨を立てて股関節が折れる状態で楽に座る、そして無理なく立つ。
知らなければ難しいことだが、この3つが出来れば
大抵のことができると私は思っている。

いきなり全部はできないが「肋骨を押さえつけない」、「股関節をきっちり折って座る」ことをしてもらった。
床に座って坐骨が立たなければ、椅子でも座布団を引いてもいい。
習慣にしてほしい。

姿勢をよくすることは
一生を健康に前向きに過ごすための宝になる。
体を丁寧に扱うことは消極的に過ごすことではない。
自分の体の変化を敏感に感じ取ることができる感性を持つと言うことだ。

子供は自分で親を選んで生まれてくるらしい。
親が子供にしてやれるのは、自分の遺伝を心配することでなく
「よい姿勢と意識の習慣」という一生の宝を育ててやることではないか。

仲良く手をつないで、楽しそうににっこり笑って帰られた親子に手を振った。

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うまさきせつこ
専門家

うまさきせつこ(ダンスインストラクター)

うまさきせつこモダンバレエ研究所

脚や股関節、肩、首の盛り上がり、正座できないなど体の辛い悩み、ダンサー、アスリートのしたいことがうまくいかない現状に自ら 編み出したボディコントロールで向き合う。定期クラス、WS、パーソナルレッスン

うまさきせつこプロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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