愛知県安城市での家庭教育講演会 テーマは「子どもを幸せに伸ばす10の秘訣」
3月27日(金)は世界的企業 日本TCS(株)ワーキングペアレントクラブ様主催のオンライン講演がありました。
テーマは「子どもの自身とやる気を引き出すプラスの問いかけ」
お昼休みの12時〜13時でそれぞれの社員の方のパソコンやスマホやタブレットで講演を聞いていただきました。
「無為の子育て」とは何か
私は「無為の子育て」を提唱しています。
無為とは2500年前の中国の思想家、老子の言葉です。
「ありのままにそのままに、作為を捨てて自然の流れにお任せするのが良い」という意味です。
それで無為の子育てとは
「いい親になろうとせず、いい子に育てようとせず、ありのままの自分でありのままの子どもを愛し育てていく。それが一番楽で、一番幸せで、一番子どもが伸びる子育てです。」というものです。
イメージがわかるように例を挙げて説明します。
親である私と「理想の子育て」の間には川が流れていると思って下さい。
親である私が「理想の子育て」を目指して真っ直ぐに泳いで渡ろうとすると、川の流れに流されてちっとも前に進まず下流へ下流へと流されていってしまいます。
前に進まずどんどん下に流されて行くことに焦ったり、怒ったり、途方にくれたりして、結果子育てがうまくいかない。
川の流れとは何か。
それは子どもは親の思い通りにならないということです。
それは自然なことであり当たり前の話なんですが、親になるとそれを忘れて思い通りに育てたくなるんですね。
そして自分を苦しめ、子どもも苦しめてしまうんですね。
ではどうすればいいのか?
無理のないその子に合った「その子らしい幸せな子育て」でいいわと力を抜いて子育てすればいいのです。
川の流れ(子どもが思い通りにならない)に逆らわず、その流れに乗って斜めに泳いでいけばいいのです。
そうすれば無理なく向こう岸にある「その子らしい幸せな子育て」に辿り着くのです。
リュックから釣り竿が出ている少年
この「無為の子育て」は、全く勉強をしない中1の男子生徒を激変させました。
昨年の11月の中旬ごろ、中1の男子生徒を私が家庭教師することになりました。
ところが指導初日に「釣りに行くから今日は休みたい、と言ってます」と開始15分前にお母さんから電話がありました。
直前キャンセルは指導料が発生するのでそのまま釣りに行かせれば、その分の指導料が無駄になってしまいます。
お母さんは月謝を持たせてそちらに行かせるので、なんとか説得して勉強させてほしいという感じの口ぶりでした。
まあ、その子は自分の思い通りにしかしない子だったのでお母さんでは手に負えなかったのでしょう。
果たして月謝を持ってやってきたその子はリュックから釣り竿が飛び出ていまして、もう釣りに行く気満々でした。
「先生、来週からはちゃんと勉強しますので、今日は釣りに行かせて下さい。」
「釣りって友達と行くのか?」
「はい。」
「下で友達が待ってるの?」
「はい。」
「そうか・・。わかった。今日は釣りに行っておいで。」
そういうやり取りがあって、その子が釣りに行くのを許しました。
そうすると親の言うことも学校の先生の言うことも聞かなかったその子が僕の言うことだけは聞いてくれるようになりました。
宿題も課題提出も、教科書を家に持って帰ることすらしなかった子だったんですが、この冬休みの課題は全部提出しました。
一ケタだった数学の点数も平均点を超えるようになりました。
やる気も出てきて2年生は500点満点で350点を目指したいと言うようになりました。
思い通りにならない子は思い通りにならないし、それで良しと考える。
その子を変えようともしないし、コントロールしようともしない。
その子の良さを見て、その子を理解しようとし、その子の自由にさせる。
そうして初めてその子との信頼関係が生まれる。
信頼関係が生まれればこちらの話も聞いてくれるし理解もしてくれる。
そうすると色々なことがその子の意思で改善されるようになるんです。
どうすれば子どもと対話できるのか
皆さんは普段、お子さんにどんな言葉をかけていらっしゃるでしょうか。
「早くしなさい!」
「もう宿題したの?」
「いい加減にしなさい!」
そういう言葉が多いのではないでしょうか。
親が子どもにかけている言葉の8割以上は注意・命令・禁止・叱責です。
これでは自信もつかないしやる気も出ません。
子どもの自信ややる気を引き出そうと思ったら、もっと対話をしなければなりません。
ではどうすれば子どもと対話ができるのか?
例えば「子どもがなぜ勉強なんてしなければならないの?」て尋ねてきたら皆さんはどう答えられますか?
こんな時は「どうしてだと思う?」と問い返すといいのです。
そして子どもの答えを否定することなく「そうか・・。そう思うんや。」と受け止めて「どうしてそう考えたの?」と子どもの考えを理解しようとしてまた尋ねる。
ポイントは「否定しない」「理解しようとする」聞き方です。
そうすれば対話が成立して、子どもは子どもなりの答えを見つけ出したり、気づきに至ることもあります。
そのような対話から子どもは、自分は親から信頼されている、愛されていると感じ自分に対する自信を深めます。
また自分が見つけ出した答えだからこそやる気も出ます。
対話をするためには子どもに問いかけることが大切です。
でも、その問いかけにもプラスの問いかけとマイナスの問いかけがあります。
資料をご覧ください。
子どもに対するプラスの問いかけ、マイナスの問いかけ

プラスの問いかけとは子どもの考えや気持ちを聞こうとするもので、このように問いかけられると子どもは自分は大切にされている、認められている、愛されていると感じます。このように感じる時、子どもは自らのうちに宿る『自己成長力』を発揮し、主体的・意欲的に物事に取り組んでいくようになります。
問題は「マイナスの問いかけ」ばかりになってしまっていないかということです。
普段子どもにかける言葉をもっと意識化して「マイナスの問いかけ」を「プラスの問いかけ」に変えていく。
そうするとプラスの問いかけをしている皆さんも、プラスの問いかけをされている子どもたちもプラス思考、ポジティブ思考に変わります。
子どもにかける言葉が変わると子どもとの関係、親子関係が変わってきます。
そして子どもとの関係が変わってくると子どもが変わってくるのです。
実は子どもの自信とやる気を引き出すカギは親子関係にあるのです。
ではどういった親子関係が子どもの自信とやる気を引き出すのでしょうか。
自信と意欲を引き出す親子関係のつくり方
こちらの資料をご覧ください。
これは7つ全部やる必要はありません。
この中でご自身がこれはいいことだな、大切なことだなと共感されるものを1つでも2つでも心がけてもらえればそれで十分です。
私の考える子育てではなく、皆さんがしたい子育て、皆さんらしい子育てを心がけてもらえればと思います。
1番、幸せを受け取るでは、ドラえもんの「のび太の結婚前夜」のエピソードをもとに娘の結婚披露宴で気づいたことをお話ししました。
7番、弱さや欠点を受け入れるでは子どもからの3つのプレゼントのお話をしました。
最後に詩「無知の知」を朗読して講演を締めくくりました。
その後、皆様からの4つの質問にお答えしました。
質問1)6歳の子供がお菓子の袋を開けられない事が多く、それが続いたせいか直ぐに助けを求めてきます。一度はなんでもチャレンジするようになってもらいたいのですが、良い声掛け方法などありますか?
長谷川)「じゃあ、ママと一緒に開けようか?」とお子さんの手を取って一緒に開けてあげたらいいんじゃないでしょうか。そして「開けられたね。やったね。」と一緒に喜んで幸せな時間にしたらいいと思います。教育の時間にする必要はありません。
質問2)3歳の子どもです。本屋さんに行ったときに、好きなのを買ってあげるよというと、着せ替えシール本や新幹線の図鑑をほしがり、親としては絵本に興味を持ってほしいのにまったく興味を示しません。このままでよいのでしょうか?無理に絵本を買っても違うような気がして・・家には絵本はすでにありますが、やはりあまり興味がないようです。文字にもあまり興味を示さないので心配になります。
長谷川)着せ替えシール本や新幹線の図鑑をほしがるのは素晴らしいことです。そういう子どもが興味を持つもの、好きなものを買ってあげたらいいのではないでしょうか。子どもにとって好きな本を買ってもらえることは幸せなことです。幸せなことを「教育」という子どもが望んでないものにすり替えることは親のエゴであり、教育という面でもあまり効果的ではありません。子どもが好きなものであってこそ、それを貪欲に吸収しようとして天才的な記憶力や理解力を子どもは発揮するのです。その機会を奪ってはなりません。また3歳の子どもの多くはまだ文字に興味を示さないのが普通です。5歳くらいになって初めて興味を持ち出します。そして興味を持ち出してからその学習に入ることで、それは喜びを伴った学習となります。喜びを伴った学習の機会を奪わないためにも親の欲を出さず、子どもが幸せになれること(好きな本を買ってもらえること)を一緒に喜んであげて下さい。
質問3)15歳と17歳の高校生ですが、何事にも無気力で、目標などもない子供に親として何かできることはありますか?
長谷川)ありません。あなたが高校生の時に大失恋をして人を信じられなくなったとします。その時あなたはあなたの親に何かしてもらいたいですか。あなたの親にあなたに対して何かできることはあるでしょうか。ありませんね。せいぜいその子の好きな料理を作ることぐらいですよね。それと同じです。でも心配いりません。時期が来たらいきいきと意欲的になります。この子達は今はそういう時期なんだなあと黙って放ってあげるのが一番子どもたちにとってありがたいと思います。
質問4)小2と小5の子どもがいます。小学生の時期(特に低学年)は、勉強以外のスポーツ系(スイミングやダンス等々)や文化系(習字、ピアノ等々)の習い事だったり、友達とたくさん遊んだりすることがその後の人生を豊かにするものと昭和生まれの私は考えますが、講師の方の2026年現在のお考えを知りたいです。高学年であっても塾の勉強がメインではなく多くの友達と遊ぶ時間だったり、運動や文化系の活動に注力する事は中学受験を目指している人にとっては少し難しいでしょうけれど、公立中学に進む子供たちにとっては貴重な経験をしたり将来の自信とか思考法の礎になると思っています。
長谷川)全く同感です。勉強が好きな子や得意な子は中学受験をしたらいいと思います。子ども時代に自由に自分が好きなことに没頭できるのは幸せなことです。そういう好きなことをすることを通して学ぶことは本当に貴重だし、子どもの未来の財産になると思います。



