自立就職支援セミナー「我が子の自己肯定感を高める7つの方法」

長谷川満

長谷川満

テーマ:教育・人権講演会

3月10日(金)はイーグレひめじで自立支援セミナーで講演してきました。
テーマは「無業状態の我が子の自己肯定感を高める7つの方法」



参加してくださるのは、無業の状態が続いている方、そのご家族、支援者の方等約21名です。


子育ては待つ練習




 子育ては待つ練習なんですね。
 「果報は寝て待て」
 「待てば海路の日和あり」
 「急いては事を仕損じる」とも申します。
 人を育てるのが上手い人はみんな待つのが上手です。

 「石の上にも三年」という諺があります。
 「桃栗三年柿八年」というのもあります。
 やっぱり3年は待つ覚悟がいると昔の人は言っています。

 私は3年なんて長いことは言いません。
 「半年!」
 とりあえず半年は今日お話しする接し方、関わり方を息子さん娘さんにやってみてください。
 半年もすれば何らかの良い変化が見られます。
 でもそれは変化であって解決ではありません。
 全面解決までにはやはり2年くらいかかりますね。

 私は有料で教育相談をしているんですね。
 1時間3300円で(笑)
 ご両親で相談に来られている方があるのですが、その方が2年ほど通われて問題がほぼ全面的に解決した時にね。
 子どもさんもそうですけど親御さんが随分変わられました。
 「ご自身は何が一番変わられましたか?」
 そうお尋ねするとこうおっしゃいました。
 「プラス思考に変わりました。いい加減というか『ま、いっかー』て思えるようになって楽になりました。
  前は子どものことも『なんとかせな』て必死でしたけど、今は『なんとかなるわ』て思えるようになりました。」

 不登校や引きこもりの出口はここにあります。
 親が『なんとかせな』と焦っているうちは解決の出口は見えてきません。
 『なんとかなるわ』と開き直った時に、気張りが取れて事態は好転し物事は解決へと動いていきます。



 こんなお話があります。
 昔、一艘の海釣りに出た船が遭難した。
 あたりはだんだんと暗くなり、ついに夜になった。
 月も出ていない夜の海は真っ暗でどちらが陸かわからなくなった。
 船に乗っていた人々は松明を掲げ「陸はどちらだ」と叫びまわっていた。
 その時、一人の男が「みんな火を消せ」と叫んだ。
 そのあまりに強い口調に押され、みんなは松明の火を消した。
 やがて漆黒の闇が彼らを包んだ。
 誰一人喋る者はいなかった。
 しばらくすると暗闇に目が慣れてきて遠くの方にぼうっと小さな明かりが見えてきた。
 浜の明かりだった。
 それで陸の方向がわかり、その船は遭難を免れた。

 皆さんも今、手元にある松明をかざして「陸はどこだ?」てやっておられるのかもしれませんね。
 そういう時は一度焦る心を鎮め、静かに待っていると解決の光が見えてきたりするものです。

自己肯定感を高める7つの方法




 1、子どもの気持ちを理解しようとする
 子ども本人が感じている怖さや不安、それらを親御さんが本当に理解されたら「甘えるな」とか「働け」とか言えなくなると思うんです。
 そして「甘えるな」とか「働け」とか、そういったことを言えなくなった時、子どもの気持ちがわかったと言えるのだと思います。ものが言える間は本当にはわかってはいないのです。
 子どもが自分は親から大切にされていると感じるのは、自分の気持ちを理解し尊重してもらえた時です。
 自分は大切な存在なんだ。
 そう思えることが自己肯定感を高めます。

 2、親は話さず、子どもの気持ちを聞く
 子どもの話を聞く時は、子どもの言葉を否定しないようにしなければなりません。
 心理カウンセリングを創設したアメリカ人のカール・ロジャーズはかつて非行少年たちを更生させる施設で働いていました。
 彼らを更生させるために色々な指導がされましたが一向に再犯率は下がりませんでした。
 「このままではダメだ。効果のある更生指導を行うためには、まずは彼らが考えていること、感じていることを知る必要がある。」
 そう考えたロジャーズは、彼らの心の中を知るべく徹底的に彼らの話に耳を傾けるようになりました。
 彼らにありのままを語ってもらうために、一切批判や指導はしませんでした。
 共感的に肯定的な関心を持って話を聞きました。
 すると何もしていないのに再犯率は下がり、ロジャーズのもとには更生した少年たちが何人もお礼を言いにやってきました。
 「僕を一人の人間として尊重し、話を聴いて下さったのは先生が初めてです。僕が今こうしてあるのは先生のお陰です。」



 カール・ロジャーズはこんなふうに言っています。
 「人は他の人から理解され、わかってもらえたと思った時、心にある変化が生じます。それが真に自分に向き合う力となり自らを成長させていきます。」

 3、子どもが決めるまで待つ
 子どもが経済的に自立するためには、まず精神的に自立する必要があります。
 精神的自立とは、自分で考えて自分の意思で決めることができるということです。
 思春期の発達課題がこの「精神的自立」です。
 習い事をやめるか続けるか、部活を何にするか、
 それを辞めるか辞めないか、
 高校や大学をどこにするか。
 それらを子どもは自分で考えて自分で決めるという課題を持っています。
 わかりやすくいうと「自己決定」です。
 親が色々と口を出すことはこの発達課題の達成を邪魔することになります。

 待つことができるのは子どもを信じているからです。
 うるさく口出しするのは子どもを信頼していない証拠です。
 「自分は親から信頼されている」
 その思いが子どもの自己肯定感を高めます。

 4、子どもの味方になる
 子どもの味方になるとは、具体的にいうと子どもに対して親友のように接するということです。
 親友どうしの関わりとは次のようなものです。
 1、その子の素晴らしさを知っている。
 2、ありのままのその子が大好き。
 3、指導も誘導もしない。
 4、自分の考えや期待を押し付けない。
 5、彼と共に考え、彼の立場に立って話す。
 一番親しい関係でありながらそれは尊重と敬愛の関わり方です。
 そのような関係が子どもの自己肯定感を高めます。

 人から「ありのままの自分」「ありのままの気持ち」を大切にしてもらうことで、自分も「ありのままの自分」を大切にできるようになるのだと思います。

 5、子どもの自己成長力を信じて任す
 「生命(いのち)」の働きには2種類あります。
 1つは生命体維持。人体においては自然治癒力です。
 2つ目は進化向上、自己実現。つまり、より良くなっていこうとする力。自己成長力です。
 この2つの力、維持する力と進化向上、自己実現していこうとする力はすべての人間に備わっています。



 皆さんの体内では自然治癒力が働いています。
 これは疑いようがありません。
 同様にすべての人間には成長していこうとする衝動が常に働いています。
 この自己成長力が妨害されるのは、怖れや不安にさらされている時です。
 だからまず安心することが自己成長力を発揮する上で重要なのです。
 親からの余計な口出しや働きかけをやめて子どもを信じる。
 信じて任す。
 それは「あなたは大丈夫」という信頼と安心のメッセージになります。
 親が子どもの力を信じる事で子どもは勇気づけられます。
 そうして子どもの内なる自己成長力が発揮され、自分の力で乗り越えていく。
 自分の力で乗り越えたからこそ自己肯定感は高まります。

 私は講演で不登校をなおす魔法の言葉として「ゆっくり休んだらいい」と言ってあげてください、とお話しすることがあります。
 この話をすると必ず「そんなことを言ったら子どもが安心してしまってかえって不登校が長引きしませんか?」という質問があります。
 そんなとき私はいつもこう答えます。
 「もちろんそうなるリスクはあります。そのリスクを背負って言う言葉だからこそこの言葉には力があるのです。『学校行ってあなたが苦しい思いをするくらいなら家で笑顔でいてくれる方がずーっといい。』心からそう言えた時、子どもには親の本当の愛情が伝わるんじゃないでしょうか。
 結局この言葉に抵抗があるのは親が不安だからです。



 不安ということで言えば、子どもも強い不安があるから学校に行けないわけです。その子どもの不安を少しでも取ってやりたいという親心から発せられるのが『ゆっくり休んだらいい』です。
 もちろんそう言えば子どもは安心します。安心して休んでいいんだとほっとします。その代わり親の不安は増します。子どもの不安を取ってやった分、自分が背負っているのですから。
 それでもいい。その方がいい。
 その覚悟を持って発せられる『ゆっくり休んだらいい』は真実の愛の言葉であり、それだからこそ奇跡を起こす力があるのです。」

 6、弱さや欠点を受け入れる
 自己肯定感とは「欠点も含めたありのままの自分を認め、受け入れ、ポジティブに捉えている」ということです。
ポイントは「欠点も含めたありのままの自分」というところであり、決して美しくなったり、強くなったり、賢くなった自分を好きになることではありません。
 ダメな自分もちゃんと自分の一部として受け入れているかどうか。
 そこが重要です。
 だから自己肯定感は何かに成功した時に高まるものではありません。
 自己肯定感は失敗した時や挫折した時に『こんなダメな自分なのに愛されている』と感じた時にこそ高まるものなのです。
 自己肯定感とは自信満々な心のことではなくて『ダメな自分、弱い自分も許し受け入れる。だからこそ人も許せるし、受け入れられる。』そういう自己受容、他者受容の心が根底にあるのです。

 7、親自身の自己肯定感を高める
 子どもの自己肯定感を高めたいと思うなら、まず親である自分の自己肯定感を高めるのが一番の早道です。
 では、どうすれば自分の自己肯定感を高めることができるのか。
 今日はその方法をみなさんに紹介したいと思います。
 では、資料をご覧ください。



 今日は1つ1つを解説する時間がありませんがこれを参考にして共感できる項目のみで結構です、実行していってもらえば少しづつ自己肯定感が高まり、より自由により自分らしく生きられるようになって人生を楽しめるようになります。
 本日はご清聴ありがとうございました。

 

講演の感想








 

 
        < リンク >

 
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 http://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/64075/

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    < 最近行った講演会 >

 2022年2月 宮城県大崎市立古川第一小学校(オンライン講演)
 「自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ』
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5129613/

 2022年1月 徳島県立人権教育啓発推進センター主催講演会
 「子どもの自己肯定感を高める7つの方法」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5128247/

 2022年12月 舞鶴市立加佐中学校区PTA教育講演会
 「自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5124631/

 2022年11月 福岡県PTA連合会南筑後ブロック研修会
 「自信とやる気を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5124364/

 2022年11月 三重県私立学校保護者会連合会研修会
 「自信と意欲を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5124151/

 2022年11月 舞鶴市立青葉中学校区PTA連絡協議会人権講演会
 「自信とやる気を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5123967/

 2022年11月 高砂市立荒井中学校
 「自分の可能性を開く7つの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/5123130/

 2022年11月 和歌山県橋本市立清水小学校
 「自信とやる気を引き出すプラスの問いかけ」
 https://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/512298

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長谷川満(家庭教師)

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発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

長谷川満プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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