「自己肯定感を育てる親子関係のつくり方」加古川市立野口南幼稚園

長谷川満

長谷川満

テーマ:教育・人権講演会

 11月27日(火)は午前中、加古川市立野口南幼稚園で講演会がありました。

 テーマは「自己肯定感を育てる親子関係のつくり方」。

 聞いてくださるのは保護者の方約70名です。





 下の資料をもとに事例やエピソード、絵本などを紹介しながらお話ししました。




 1、幸せを受け取る(子どもの存在を喜ぶ)ではこのようにお話ししました。

 親になりますとついつい子どもに何をしてやれるか、
 何を身につけさせてやれるかと『与える』ことばかりに目が行きがちですが、
 本当は子どもが持ってきてくれた愛や喜びや幸せを『受け取る』ことの方が
 何倍も大事なんじゃないかと思うんです。

 親はね、勘違いしてしまうんです。
 親が子どもを幸せにしてやらないとって思ってしまうんです。

 でも、逆なんですね。
 親が子どもを幸せにするんじゃないです。
 子どもが親にいっぱい幸せを与えてくれているんです。
 親は幸せをもらっている側なんですね。
 そしていっぱい幸せをもらったらいいんですね。
 なぜか?

 幸せな親が幸せな子どもを育てるからです。

 そうして子どもに幸せを返していったらいいんですね。
 
 自分という存在は親に喜びを与える存在なんだ。
 幸せを与える存在なんだ。
 そう思えること。
 それこそが自己肯定感であり、自信や意欲の基礎となるものです。





 2、そのままを愛する(変えようとしない)ではこんなお話をしました。

 「そのままを愛する」とは、やんちゃな子はやんちゃな子のまま、引っ込み思案な子は引っ込み思案な子のまま、そのままを愛するということです。

 それは子どもを変えようとしないということです。

 そのままを愛するとは結婚式の「愛の誓い」、あれですね。

 「健やかなる時も病める時も、富める時も貧しき時も、喜びの時も悲しみの時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命のある限り、真心を込めて尽くすことを誓いますか。」

 こうして永遠の愛を誓うわけですが、「永遠の愛」なんてあるのでしょうか。

 あるんですね。

 親が子どもに対して持つ愛は一生変わりません。
 親は子どもを一生愛し続けます。

 だったら子どもが生まれた時にこう誓ってみたらどうでしょう。

 「健やかなる時も病める時も、いい子の時も悪い子の時も、言うこと聞く時も言うこと聞かない時も、この子を愛し、この子を敬い、この子を慰め、この子を助け、時期が来たら放してやり、その命のある限り、真心を込めて育てることを誓いますか。」

 その無条件の愛が子どもの意欲、向上心、生きる力を育てます。

 欠点もある、ダメなところもある、だけど自分は「そのままの自分で愛されている」
 そう思えることが子どもにとってどんなに嬉しくてどんなに幸せでどんなに自信がつくことでしょう。

 それが今の、そして未来の子どもの心を支えます。

 「そのままのあなたが大好き」

 これは親が子どもに贈ることができるプレゼントの中でも最高のプレゼントです。
 これこそが自己肯定感です。


 では、どのようにしてそれを伝えていけばいいのでしょう。

 今日はみなさんに紹介したい絵本があって持ってまいりました。

 「いいこってどんなこ?」という絵本です。




 
 うさぎのバニー坊やがお母さんうさぎに尋ねます。
 「おかあさん、いい子ってどんな子?泣かないのがいい子なの?」

 お母さんうさぎは言います。
 「泣いたっていいのよ。」

 バニーはまた尋ねます。
 「でも、おこりんぼいい子じゃないよね。
  怒っている僕なんか嫌いでしょ?」

 お母さんうさぎは言います。
 「ぷんぷん怒っている時も、ニコニコ笑っている時も、
  お母さんはバニーが大好きよ。」





 バニーはだまってしばらく考えました。
 「じゃあ、お母さんは僕がどんな子だったら一番嬉しい?」

 お母さんうさぎはにっこり笑って答えました。
 「バニーはバニーらしくしてくれるのが一番よ。
  だってお母さんは今のバニーが大好きなんですもの。」
  
 おしまい。


 そうするとお子さんはよ~くわかっていて、ニコニコってお母さんを見つめます。

 お母さんもよ~くわかっていて、もう一度最後のセリフをお子さんの名前に変えて読んであげます。
 「〇〇ちゃんは〇〇ちゃんらしくしてくれるのが一番よ。
  だってお母さんは今の〇〇ちゃんが大好きなんですもの。」

 そう言ってハグしてもらって、おでこにチュってしてもらって、ほっぺにもチュってしてもらって、笑顔で「おやすみ」て言われて眠る世界一幸せな子どもたちがいます。

 この絵本はあることで大変有名です。

 今のようにして読み聞かせるとおねしょがピタリと止まる「おねしょを止める魔法の絵本」と呼ばれています。

 子どもの問題の80%以上は愛情伝達不足で起こっております。
 愛情不足ではありません。
 愛情はあるのです。
 でもその愛情をちゃんと言葉やスキンシップで子どもに伝えているでしょうか。
 
 1日1回は「今のそのままのあなたが大好きよ」言葉とスキンシップで伝えてあげてください。

 そのあと「子どもからの3つのプレゼント」のお話しをしました。

 「愛する喜び」

 「愛される喜び」

 「愛する者どうしが共に暮らす喜び」





 講演の最後にこのようにお話しをしました。

 「子どもたちは何も子育ての上手なお母さんに育ててもらいたいのではありません。
 子どもたちはそのままのあなたに会いたくて、そのままのあなたに育ててもらいたくて、あなたのもとに生まれてきました。ですから、どうぞ欠点もあるがまま、そのままのあなたで育ててあげてください。
 だけどママには笑っていてほしい。幸せでいてほしい。
 笑うためには許すことが必要です。
 誰を?
 自分をです。
 みなさんにも欠点やダメなところがあるでしょう。
 できればそこを直そうとするのではなく、許してください。
 そして自分の欠点を許したようにお子さんやご主人や奥さんのダメなところも許してあげてください。
 そうすれば家庭に笑顔が生まれます。
 そうしてみなさんが許しあって、笑いあって、幸せに暮らしていかれることを心より願っております。
 本日は誠にご清聴ありがとうございました。」

 
 そのあとお一人お一人にそれぞれ違う詩をプレゼントしました。


 皆さん、熱心に聞いてくださいました。
 本当にありがとうございます。
 また皆さんにお会いできる日を楽しみにしています。





         < リンク >

 
 講演会の講演依頼.com|長谷川満 プロフィールページ
 https://www.kouenirai.com/profile/3820

 システムブレーン|長谷川満 プロフィールページ
 https://www.sbrain.co.jp/keyperson/K-7816.htm

 教育講演・人権講演のテーマや内容については
 http://mbp-japan.com/hyogo/hasegawa/column/64075/

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 http://www.hariat.co.jp/ksg/

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 http://hasegawa-mitsuru.seesaa.net/article/448895890.html
 

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長谷川満
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長谷川満(家庭教師)

家庭教師システム学院

発達障がいや不登校の子の意欲を引き出すには自己肯定感を高める必要があります。その子のありのままを受容し、信頼関係を築き、成功体験と褒め言葉で自信と意欲を引き出します。

長谷川満プロは神戸新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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