講演「子どもが伸びる!自己肯定感を育てる親子関係のつくり方」 明石市民会館
2月3日(土)は岩手県洋野町教育振興大会で講演させていただきました。
演題は「自信と意欲を引き出す親子関係のつくり方」。
聞いてくださるのは洋野町のご父兄、先生方、地域の方々、約200名です。
下の資料をもとにエピソードを交えながらお話ししました。
< 自信と意欲を引き出す親子関係のつくり方 >
~ 自己肯定感を育てる関わり ~
1、幸せを受け取る(子どもの存在を喜ぶ)
2、そのままを愛する(変えようとしない)
3、子どもの善さを見る(尊敬する)
4、話を聴く(口を挟まず最後まで)
5、気持ちを理解しようとする(押しつけない)
6、信じて任す(管理者ではなく援助者になる)
7、弱さや欠点を受け入れる(許し合う)
1、幸せを受け取る(子どもの存在を喜ぶ)ではこんなお話をしました。
皆さん、ドラえもんはご存知ですね。
ドラえもんのお話の中でも名作中の名作と呼ばれるのが「のび太の結婚前夜」というお話です。
どんなお話なのかと言いますと・・。
明日はついにのび太くんとしずかちゃんの結婚式。
でも、どこか浮かない表情のしずかちゃん。
それを見ていたドラえもんはそっと『正直電波』を取り出し、しずかちゃんに照射します。
すると、しずかちゃんはパパのところにやって来てこう言い出します。
しずか「パパ、あたし、およめにいくのやめる!」
パパ 「ええっ!!」
しずか「これまで、ずぅっと甘えたりわがまま言ったり・・・、それなのに私の方はパパやママになんにもしてあげられなかったわ」
パパ 「とんでもない。君はすばらしい贈り物を残していってくれるんだよ」
しずか「贈り物? あたしが?」
パパ 「そう。数え切れないほどのね。
最初の贈り物は、君が生まれてきてくれたことだ。
午前3時ごろだったよ。君の産声が天使のラッパみたいに聞こえた。
あんなに楽しい音楽は聴いたことがない。
病院を出たとき、かすかに東の空が白んではいたが、
頭の上はまだ一面の星空だった。
この広い宇宙の片すみに、ぼくの血を受け継いだ生命がいま、生まれたんだ。
そう思うと、むやみに感動しちゃって、涙が止まらなかったよ。
それからの毎日、
楽しかった日、
満ち足りた日々の思い出こそ、
君からの最高の贈り物だったんだよ。
少しぐらいさびしくても、想い出があたためてくれるさ。
そんなこと気にかけなくていいんだよ」
しずか「パパ・・」
パパ 「のび太くんを選んだ君の判断は正しかったと思うよ。
あの青年は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことができる人だ。
それが人間にとって一番大事なことなんだからね。
彼なら、間違いなく君を幸せにしてくれるとぼくは信じているよ。」
透明マントをかぶってそれを聞いていたのび太はしずかちゃんのパパに感謝するとともに安心して現代へと帰って来るというお話です。
実は私、5年前初めて花嫁の父になりました。
結婚式ってね、必ず小さい頃からの写真が音楽やナレーション付きでスライドショーで流れますね。
「イベントごとが大好きでした・・」
そんなナレーションとともに3歳の娘の誕生日の時の写真が。
そこには満面の笑みでピースサインをしている娘と若い頃の自分や妻が写っています。
ああ、あの時は楽しかったなあ・・
ああ、あの時は幸せやったなあ・・
て思い返しますと、しずかちゃんのパパが言うように
子どもから幸せをもらってたんやなあ、
いっぱい、いっぱい幸せをもらってたんやな、
今までありがとう。
て思ったら涙が溢れてまいりました。
親になりますとついつい子どもに何をしてやれるか、
何を身につけさせてやれるかと『与える』ことばかりに目が行きがちですが、
本当は子どもが持ってきてくれた愛や喜びや幸せを『受け取る』ことの方が何倍も大事なんじゃないかと思うんです。
親はね、勘違いしてしまうんです。
親が子どもを幸せにしてやらないとって思ってしまうんです。
でも、逆なんですね。
親が子どもを幸せにするんじゃないです。
子どもが親にいっぱい幸せを与えてくれているんです。
親は幸せをもらっている側なんですね。
そしていっぱい幸せをもらったらいいんですね。
なぜか?
幸せな親が幸せな子どもを育てるからです。
そうして子どもに幸せを返していったらいいんですね。
自分という存在は親に喜びを与える存在なんだ。幸せを与える存在なんだ。
そう思えること。
それこそが子どもの自信や意欲の基礎となるものです。
2、そのままを愛する(変えようとしない)のところではこのようにお話しました。
「そのままを愛する」とは、やんちゃな子はやんちゃな子のまま、引っ込み思案な子は引っ込み思案な子のまま、そのままを愛するということです。
それは子どもを変えようとしないということです。
欠点もある、ダメなところもある、だけど「そのままの自分で愛されている」そう思えることが子どもにとってどんなに嬉しくてどんなに幸せでどんなに自信がつくことでしょう。
自信とは究極的にはただ一つです。
「自分はそのままで愛される存在である、自分はそのままで愛される価値がある。」
そう思えること。
その自信から前向きな意欲も生まれてきます。
講演の終わりにこのようにお話ししました。
最後にみなさんにプレゼントがあります。
レジュメの5枚目に詩がついていますね。
その詩はお一人お一人すべて違う詩になっております。
あなたのところに届いた詩はあなただけに届けられた詩です。
もしその詩がみなさんのお心に届いたのならこんなに嬉しいことはありません。
本日は誠にご静聴ありがとうございました。
< リンク >
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