親学10か条 その4、子どもを親の思い通りに育てようとしない
小学校4年生から高校卒業まで約9年間指導した生徒がいたのですが、進路も決まり最後の指導が終わってしばらく経った頃、そこのお家から菓子折りとお礼状が届きました。
お礼状は、お母様のものと生徒本人のものと2通入っていました。
お母様の方のお手紙には、ご丁寧なお礼の言葉のあと、このように書かれていました。
「・・長谷川先生と過ごす時間を、息子はとても楽しみにしていて、なにより先生が話を聞いて下さり温かく受け入れて下さったことが、あの子にとっては、大きな幸せだったと思います。・・」
また生徒の方の手紙にも
「・・いろいろな話を聞いて下さりありがとうございました。・・」
とありました。
9年間指導してきて一番感謝されたこと、それは「話を聞くこと」だったのです。
その子はちょっと変わっていて、ベートーベンやモーツワルトといった音楽家に興味があったり、トルコの歴史に興味があったり、新撰組に興味があったり・・、同じ年頃の子どうしだとなかなかそんな話も出来なかっただろうし、親御さんもそうそう話につき合ってられないでしょうから、その子の話を興味を持って聞いていたのは僕だけだったのかもしれません。
僕は休憩時間に色々と教えてもらいながら彼とおしゃべりするのが楽しかっただけで、話を聴いてあげようと努力していた訳ではありません。ただ、彼の「人と変わっているところ」が大好きでした。だから、彼と話すのが楽しかったし、彼もそう感じていてくれたのだと思います。
話を聴く、それは「あなたの話は面白い、聞く価値がある」「私はあなたに関心がある、好意を持っている」という無言のメッセージでもあると思います。
僕は講演で話をしますが、ちゃんと話を聞いてもらえると、「自分は受け入れられている」と感じますし、自信を持って話をすることが出来ます。
話を聴く、というと何か受け身な感じがしますが、実はこれほど相手に対して肯定的で強力なメッセージはありません。褒め言葉だと、時に相手に誤解されることもあるかもしれませんが、「聴く」という姿勢は肯定的な意味しか相手に伝えません。
子どもの話を聴く。
それは、あなたは私にとって大切な存在ですよ、あなたのことを愛していますよ、あなたに関心がありますよ、あなたのことを理解したいと思っていますよ、ということを言ってるのと同じことです。だから、子どもは安心するのだと思います。
また、あなたの話は聴く価値があるということは、あなたには価値があると言ってるのと同じことです。だからこそ自信がもてるようになるのだと思います。
大人だって、話を聴いてもらったり、わかってもらったり、共感してもらったら元気が出ますよね。
ありがとうって感謝しますよね。
それは「聴く」ということが、一つの愛情表現であるからなんだと思います。
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