納骨室に水が入らない特許構造の墓石/本当に良いお墓を提供するためには?(10・最終話)
(1)安心できる中国産墓石
(2)正真正銘の国産墓石
(3)自社加工の墓石と産地加工の墓石
(4)関西で建てる国産墓石!国内加工と中国加工の値段の差
(5)国内加工ならではの職人技「天目取り」
(6)同じ見積り内容でも中国産墓石はピンキリ!?
(7)中国産墓石の品質・値段の差はどこで決まるのか?
~上記のコラムからの続きです~
一般消費者にお墓の良し悪しを見分けるのは難しい
これまでのコラムでは、主にお墓に使う石のことや、
墓石となるまでの加工工程や流通経路について書いてきました。
しかし、一般消費者が石や加工の良し悪しを見分けるのは、
かなり難しいというか、無理と言った方が良いかもしれません。
生まれて初めてスーパーや市場に買い物に行き、
良い魚や肉などの生鮮食料品を見きわめるようなものです。
スーパーの場合は、各商品に値段が付いているので、
「何となくこちらの方が良いのでは?」と想像がつきますが、
卸売市場などは値段の表示がなくセリで売り買いをします。
特に、日頃家で料理を全くしない多くの殿方にとって、
生鮮食品の良し悪しを見きわめるのは至難の業でしょう。
とんでもなく値段の高いものを買ってくるのが関の山です。
ところが、長年家事をされているご婦人の方々は、
「○○のお肉は良い」「△△のお魚はダメ!」など、
その経験値と目利きで良し悪しの判断が出来るのです。
このように、一般消費者がお墓に使う石の良し悪しや、
加工技術の良し悪しを見分けるのにはかなり難しく、
ましてや出来上がってすぐの時にはより一層難しいでしょう。
最近、出来上がったお墓に関する相談をよく受けますが、
ほとんどが完成後数カ月経ってからの相談です。
「○○の部分の色が変わってきた」
「△△の部分にヒビが入っている」
このように、建てた後にいろいろと出てくるものなのですが、
完成してすぐのお墓は、素人目にはきれいにうつります。
しかし、これは、お墓購入の経験値がないので仕方ありません。
前述の殿方のお買いものと同じなのです。
違うとすれば、食品と違いと買い直しがきかない点です。
近年では、お墓の文字もコンピュータ文字!?
お墓の石や加工技術の良し悪しの見分けは難しいとしても、
墓石に刻まれる文字については意外と良し悪しが分かるものです。
それは、文字は誰しも普段から見慣れているものだからです。
「あの人は字がきれい」
「あの人、大学教授なのに意外と字がきたない」
このように、人ぞれぞれの好みもあるでしょうが、
字がきれいかそうでないかの違いは誰でも分かります。
お墓に彫刻する文字も、ひと昔前までは全て手書きでした。
これは、当社指定書家である千葉正幸氏揮毫の文字です。
書家が一文字一文字時間を掛けて丁寧に書いた文字です。
ところが、時代の流れとともに、お墓に掘る文字も、
書家直筆文字からコンピュータの筆文字に変わってきました。
ちょうど、年賀状の宛名印刷のようなものです。
大量の年賀状の宛名を書くのは確かに大変ですし、
下手な字で書くよりも「カ〇リオ」の方が良いのでは、
と言う考え方もあるでしょうが、はたしてそうでしょうか?
今の時代、ワープロ、印刷文字のような人工的につくられた、
フォントと呼ばれる無機質な文字に囲まれている時代だけに、
「字がきれい」「字がきたない」という問題よりも、
心のこもった手書き文字の方が喜ばれるのではないでしょうか。
また、お墓の文字と年賀状の宛名印刷とは違います。
お墓は、大切なご家族や親族、ご先祖様をお祀りし、
何十年以上もの長い間、そこにあり続けるものだけに、
やはり、心のこもった直筆文字に勝るものはないでしょう。
そのことは、石材店側ももちろん分かっていることです。
では、なぜ、分かっているにもかかわらず、
コンピュータ文字をお墓に使用するのでしょう。
それは、ただただコストの問題です。
書家に文字を書いてもらうには、その都度費用が掛かりますが、
コンピュータ文字の場合は最初の初期投資だけで済みます。
つまり、お墓も「とにかく安いもの」が求められる今日では、
文字も宛名印刷なみにしないと売れないと言うのが現状です。
なんか悲しいですね!
お墓の文字彫りもコスト優先の時代
現在、市場に流通しているお墓の80%以上が中国産であることは、
これまでのコラムで何回もご説明させて頂いてまいりましたが、
近年では、墓石への文字彫りについても中国で行われています。
その理由は、やはりコストです。
日本国内の腕の良い字彫り職人に依頼するより安いのです。
では、出来栄えはどうなのか?
ハッキリ言ってダメです!
当社の感覚では、とても使えるレベルではありませんし、
これからも、中国で文字彫りをすることはないでしょう。
では、実際に彫り上がった墓石で比較してみましょう。
先ずは、当社の全ての新調墓石の文字彫りをお願いしております、
香川県高松市にある、日本三大石材加工地の一つである、
「庵治・牟礼」の宮本力夫石彫石材様による作品です。
一文字一文字に筆文字特有の勢いが感じられるのと、
大人の男性の手の中指の第一関節が隠れるくらいの深さがあるので、
文字に色を入れなくても光が当たった陰影だけで十分読み取れます。
次に中国の字彫り工場で彫刻したもの。
これなら一般消費者でも、さすがに違いが分かるでしょう。
この文字はもちろんコンピュータ文字を使用しております。
墓石の大きさの割に文字が小さくレイアウトされておりますので、
全体のバランスが悪いのと、彫りの深さが浅いので、
ペイントを施さないとはっきりと文字が見えないでしょう。
そして、さらには、全自動字彫りロボットもあるのです。
確かに、24時間文句も言わず働くのですから便利でしょう。
世の中のあらゆるものの機械化が進んでいますが、
お墓の製作も例外ではなくなってきたのです。
「字は読めればそれで良い」という人もいるでしょうが、
当社では、書家直筆の文字を腕の良い字彫り職人が彫るという、
これまで通りの伝統的な技法ににこだわり続けたいと思います。
~つづく~
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