納骨室に水が入らない特許構造の墓石/本当に良いお墓を提供するためには?(10・最終話)
今や、日本国内に流通している墓石の約8割は中国でつくられています。
それらに使用される石材は、中国国内で採掘される石はもちろんの事、
インドやヨーロッパ、南アフリカなど、世界中の石が中国に集まり、
墓石などの石製品に加工され、世界中に輸出されているのです。
もちろん、日本の石も大量に送られ中国で加工されています。
当社では日本の石を中国で加工された墓石は取り扱っておりませんが、
これらは中国でつくられているにも関わらず「国産墓石」なのです。
私自身はどうも腑に落ちませんが現行法律でも問題がありません。
それは、素材自体が日本の石だからなのです。
さて、2016年11月5日(土)から、中国福建省の石材加工工場に、
お客様からご注文を頂いておりますお墓の検品に行ってきました。
ちょうど、台湾の西側にある中国の経済特区の一つである、
アモイという町から海岸沿いにクルマで走ること約120㎞のところに、
数多くの石材工場が集まる、崇武(そうぶ)という地域があります。
これまで、100回を軽く超えるほど同じ地域に訪れていますが、
今回も同様、当社が墓石製品の加工・製作をお願いしている工場に、
現在製作中、ならびに完成した墓石製品の検品を行うのが目的です。
数年前の円安の際に、多くの中国人観光客の来日を見込んで、
厦門(アモイ)航空が関空↔アモイの直行便(1日1便)を復活させ、
便利になったと思いきや、今年の10月中旬から週3便に減ったので、
中国への検品出張のスケジュールが組みにくくなりました。
かつては、厦門航空に加えANAもアモイ行直行便を出していました。
その後、ANAが廃便となり、続いて厦門航空も廃便となりました。
そうなると、上海経由、北京経由、杭州経由、香港経由と、
あらゆるルートから乗継をしてアモイに行くしかありません。
直行便なら3時間半程で行けるところが下手すりゃ10時間以上掛かります。
それを考えると、週3便でもありがたいと思わなければ…
以前の様に廃便にならないことを願っております。
現在、関空から出発のアモイ行の飛行機は夜便しかないので、
アモイに到着するのは22時位(日本時間で23時)になりますので、
初日は、ホテルにチェックインを済ませて寝るだけです。
翌日は朝食後すぐに工場のある崇武地区に向かって出発です。
今回最初に訪れたのは、近々新しくオープンする新工場です。
新工場と言っても、以前から別の場所で工場を営んでいましたが、
この度、新しい機械を導入した大規模工場を建てたのです。
20年ほど前ならともかく、納骨堂や海洋散骨、樹木葬など、
従来からのお墓以外にも葬送の選択肢が増えた日本では、
以前に比べてお墓を建てる人の数が減ってきています。
その影響もあり、中国の石材加工工場も倒産や廃業などが相つぎ、
工場の数も全盛期の数の5分の1位まで激減してしまいました。
そんな時期にお金をかけて規模を大きくする工場もあるのです。
工場の社長を含め工員さんたちもやる気満々なので、
今後の展開に期待をしたいという気持ちはありますが、
当社が加工を依頼するかどうかとなると現時点では未定です。
さて、表敬訪問も終わり、いよいよ検品業務の開始です。
お客様からご注文頂いたお墓が、中国製品の墓石の場合、
当社のように直接中国に行き検品をするなんてほとんどありません。
注文から加工、そして、完成した墓石の納品までの全てを、
石材商社と呼ばれる問屋に依頼するのが一般的な流れです。
しかしそれでは「作り手が見えない」「加工精度を確認できない」
「こちら側の細かいニュアンスが伝わらない」などの理由で、
当社では15年位前から石材商社を通さずに行っています。
石の種類やデザインなど墓石ごとに発注する工場を厳選し、
石材の品質チェックから完成検査までの全てを自社で行っています。
石は自然の産物なので、二つとして同じものはありません。
同じ塊の中から切り出したものでも良い所と悪い所があります。
石材商社に墓石の注文をお願いすれば、確かに楽なのですが、
お客様からご注文頂いた墓石製品の安定性を考えると、
やはり、自らが中国に足を運ぶのが最良の方法と考えます。
寿司屋の親方やレストランのシェフが自ら中央市場に足を運び、
自分の店で提供する素材選びをするのとよく似ています。
仕入れを他人任せでは良い製品を提供することは出来ません。
また、自分自身が現地に足を運び、スタッフとやり取りしながら、
修正個所があれば、その場で直してもらう事も可能なのです。
お墓は規格品のようで、規格品でない部分があります。
石材店ごとに、こだわっている部分もありますし、
それぞれのお客様ごとにも、こだわりや要望が異なります。
そして、何よりも日本人が特にこだわる部分、
妥協できない部分などを、直接細かく説明する必要があります。
現地の行員は、工場側から与えられた図面と指示書に基づき、
淡々と一つ一つの作業をこなしていくだけなのです。
お施主が何を求めているか、石材店がどういう意図で、
このような構造の墓石にしたかなんて全く頓着していません。
また、それを中国の工場に求めることは無理なことですし、
その役割を石材商社に託すことも極めて難しいことでしょう。
それらを考えると、やはり自分で行くのがベストなのです!
そして、工場での検品業務はもちろん大切なことですが、
何よりもスタッフとのコミュニケーションの構築が重要です。
そのためには、共に食事をし、酒を酌み交わしながら、
忌憚のない意見交換をすることも良い製品づくりに繋がります。
ひと口に中国加工の墓石と言ってもピンからキリまでです。
お墓建立をお考えの方は簡単に契約しないでくださいね。
契約してから後悔しても遅いのですよ!
今一度「本当に良いお墓とは何か?」を考えてみてはいかがでしょう。
~つづく~
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