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日本一の銘石「庵治石」のすべて(4)庵治石の産地と歴史

2013年3月16日 公開 / 2014年8月1日更新

テーマ:日本の銘石

コラムカテゴリ:冠婚葬祭

コラムキーワード: 墓石 種類お墓

(1)「庵治石」ってどんな石?
(2)鉱物学的に見る庵治石の特徴
(3)庵治石の種類

上記のコラムからのつづきです


4.庵治石の産地と歴史


庵治石採石丁場風景


数千万年の眠りから起こされて、世界に冠たる銘石が切り出される


瀬戸内海穏やかな気候と、豊かな自然に恵まれた四国最北端の半島では、
丁場と呼ばれる採石場からは、石を切り出す力強い音や、
熟練の技で石に命を吹き込む石工のノミの音が心地よく響いてきます。

石の町、庵治町・牟礼町からしか産出されない庵治石は、
きめ細かな石肌に重厚感や色艶・風格などを兼ね備えています。

日本国内では、最高級の石材として高い評価を受けるとともに、
世界的にも多くの注目を集めている屈指の銘石なのです。


岩石の分類

一般的に「石」と呼ばれている岩石は、
マグマが冷えて固まってできる「火成岩」、
海の底などに積もったものが固まってできる「堆積岩」、
高温や高圧で別の岩石に変わってしまった「変成岩」に大別されます。

その中の火成岩は大きく分けると、さらに3種類に分けられ、
マグマが地表や地下の浅い所で急激に冷やされてできる「火山岩」、
地下の深い場所でゆっくりと冷やされてできる「深成岩」、
両方の中ぐらいのスピードで冷やされてできる「半深成岩」があります。

庵治石や大島石に代表される墓石材の多くは
深成岩の中の花崗岩に属しており、
その花崗岩の中でも、最も高級な石材が「庵治石」なのです。

ちなみに、堆積岩に属する代表的な石は
石灰岩、砂岩、凝灰岩などがあり、
変成岩に属する代表的な石は大理石、
千枚岩、結晶片岩などがあります。


深成岩

また、安山岩や玄武岩は火山岩に属します。


したがって、安山岩に属する、神奈川県産「本小松石」や
宮城県産の「伊達冠石」は火山岩に属し、
庵治石とは異なる種類の岩石なのです。


庵治石の誕生は、時を遡ること、6500万年前から1億年前前の白亜紀後期、
ユーラシア大陸の東端で、火山活動を中心とした激しい地殻変動が起き、
地下深くのところで、マグマがゆっくり冷えて固まり深成岩として形成され、
変化した花崗岩が現在の瀬戸内海や中国地方の基盤になったと言われています。

そのころは、ちょうど人類の祖先にあたる霊長類が出現し、
小惑星の衝突により恐竜をはじめとする生物の70%が死滅したころにあたります。

今から約2000万年ほど前に地殻変動が起き、
地盤が隆起して地表に現れたのが悠久の貴重な贈り物、「庵治石」なのです。


庵治石と共に生き、共に栄えてきた数百年にもおよぶ歴史がある


四国・香川県で採掘される庵治石は、日本の墓石業界だけでなく、
世界中で最も高級な石材と称される地位を確立しており、
その価値は、他の石材でつくられる墓石や石材加工品と比べても、
庵治石細目などは、例を見ない高額な価格によっても証明されています。


庵治石細目・特救極上細目
▲すばらしい「斑」が浮き上がった庵治石極上細目

庵治石の数ある特徴の中でも、最大の特徴として挙げられるのが、
「斑(ふ)」と呼ばれる、湿り気を与えた二重がすりのように見える模様で、
産地での伝承では、庵治石の採石場の向かい側に位置する、
源平の合戦で有名な屋島の桜が吹雪となって庵治石を包み込み、
庵治石特有の美しい模様である「斑」に姿を変えたとも言われています。

庵治石は、低い吸水性と極めて硬い性質のため、
他の墓石材と比べて、風化や変質しにくく、磨き上げるほど艶が出て、
瑞々しい美しさが長きにわたり保たれているのも特徴の一つです。

庵治石の用途は、高級墓石材や石彫、記念碑などの加工品だけではなく、
柱の下に据える礎石や敷石、張り石などの建築材としても幅広く使用されています。


時代とともに人や道具は変わっても、伝え継がれた技と誇りは変わらない


古文書によると、庵治石はすでに平安時代(794~1185)には、
瀬戸内海を渡って、遠く京都へと送り出されていたらしく、
この当時から石材産地としての地位を確立していたようです。

江戸時代に入り、各地で城づくりが盛んになってくると、
庵治石の採石・加工も、より盛んに行われるようになりました。

庵治石は、高松城内部の石垣や桜門の礎石、
また大阪城の改築にも多くの庵治石が供給されています。

そして、明治時代になると、文明開化とともに庵治石の需要は拡大し、
大正時代における第一次世界大戦の影響による好景気で、
庵治産地の石材業界は大躍進を遂げることとなるのです。


源平屋島合戦八百年祭供養碑
▲源平屋島合戦八百年祭供養碑

第二次世界大戦後の混乱期を経た昭和30(1955)年代頃からは、
原石の採掘や製品の加工における機械化が進み、
研磨による最高の光沢が出るという庵治石の優れた特性が、
機械化による研磨により、より一層、特性が発揮され、
「世界で最も高価な石材」と言われるようになるなど、
庵治・牟礼の石材業界はますますの発展を遂げてきました。

庵治石は、低い吸水性と極めて硬い石質による優れた耐久性と、
日本三大石材加工地の一つと言われる、優れた加工技術によって、
現在では、日本国内はもとより、世界的にも高い評価を得ています。



          ~つづく~ 



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能島孝志(株式会社第一石材)

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