知らない人が損をする「指定石材店制度」という仕組み③霊園内における石材店の序列/神戸新聞マイベストプロ神戸主催セミナー「お墓選びで知っておきたい5つのポイント」おさらい
▲潮風の当たる過酷な条件の中で、50年余り経った今も美しさを保つ大島石の軍人墓
~前のコラムからの続きです~
前回のコラムでは、もし私が石材業にたずさわってなく(しかし今の知識は持っている)、
一消費者だったらどこで「大島石」のお墓を建てるかについてお話しいたしました。
(あくまでも、私の個人的見解においての選択です!)
昨年の、神戸新聞マイベストプロ神戸主催セミナー
「お墓選びで知っておきたい5つのポイント」のおさらい、
4.“国産墓石なら本当に安心?”についても、いよいよ最終話です。
最終話でも、「大島石」についてのお話です。
実は「大島石」に限らず、どの国産墓石についても
“国産墓石なら本当に安心なのか?”という不安はつきものです。
なぜならば、大島石以外にも「庵治石」「天山石」「万成石」など、
ほとんどの国産の石が中国へ送られ加工されているからです。
では、なぜ「大島石」ばかりを取り上げるのか?
…といえば、あまりにも中国でつくられている「大島石」の墓石の数が多いのと、
(少なくとも日本国内に流通している大島石の墓石の半分以上は中国加工では?)
多くの消費者が何も知らずに、日本でつくられたものとして購入しているからです。
もし、中国で加工されているものとお店側から告げられていても、
中国ではどのような等級の「大島石」の原石を使用し、
どのような加工・製作方法にて墓石に加工されているかの説明を
きちんと受け、納得したうえで購入されている人がどれだけいるでしょう?
お墓は一生に幾度とない大きなお買い物です!
少なくとも孫の代まで安心してお参りのできる石を…
と選んだはずの「大島石」のお墓の20年後を想像したことがありますか?
「そんな心配しませんよね!」
100年経っても安心な石ということで「大島石」を選んだのだから、
20年後の「大島石」なんて何の問題も無いと思いますよね!
「人間でいえば、20才(もっと若いかも?)です!」
今、市場に流通している中国でつくられた「大島石」の
お墓が20年後にはいったいどんなふうになっているのでしょうか?
私はあまり想像したくありません…。
では、本題にもどって、もし私が今の知識を持った一消費者だったとして、
「大島石のお墓」を購入するとした場合に、あくまで私個人的主観で選ぶ、
「こんな店では絶対に大島石のお墓は買わない!」をお届けいたします。
ただ、どんな商品を選ぶ際にもひとそれぞれの選択基準があります。
価格優先、品質重視、ブランド第一など様々です!
これから書かせていただく「こんな店で大島石のお墓は買わない!」は、
あくまでも私個人としての考えであることをご了承ください。
こんな店で大島石のお墓は買わない!
私なら、次の二つに当てはまるお店で大島石のお墓は買いません!
【その1】餅は餅屋!
近年においては、お墓は石材店だけではなく
葬儀社や仏壇店もが取り扱う時代となりました。
しかし、私はやはり「餅は餅屋!」だと思います。
良いお肉はやっぱりお肉屋さん!
良いお魚もやっぱり魚屋さん!
お墓もやはり「石材店!」です。
我々石材店が仏壇を扱って販売することは簡単ですが、
やはり専門的な知識については仏壇店には到底かないません。
当然のことながら「石」についても同じです。
特に「大島石」のように扱いが難しい石となるとなおさらです!
餅は餅屋!やはり「石は石屋!」だと思います。
私なら「大島石のお墓は石材店以外では買いません!」
(あくまでも、もし私が消費者の立場だったらです!)
【その2】中国で製作された「大島石」を取り扱っている石材店
通常は消費者の目を引くため安価な中国で加工された
「大島石のお墓」を中心に販売している石材店。
しかし、中国でつくられる「大島石のお墓」に不信感をもっている
消費者に対しては「日本で加工された大島石のお墓」を薦める石材店。
私なら、中国加工の「大島石のお墓」を取り扱っている石材店では、
たとえ「日本でつくった大島石のお墓」であっても買おうとは思いません!
私の地元、神戸は皆様ご存じの「神戸ビーフ」が有名です。
もし、皆様が特別の日のちょっと贅沢な食事に「神戸ビーフ」のステーキを…。
とお店を選ぶ際には次のどちらのお店で「神戸ビーフ」を食べたいと思いますか?
①それなりの値段はするが「神戸ビーフ」のみを取り扱っているお店。
②通常は米国産、豪州産等の牛肉を主に販売しているが、
お客様の要望があれば「神戸ビーフ」も少し安く提供してくれるお店。
もし、私が贅沢にも「神戸ビーフ」を食べに行くとしたら①のお店です。
②のお店ではあまり食べたくありません!
めったに行けない贅沢な「神戸ビーフ」をせっかく食べるのだから、
外国産牛肉を主に販売しているお店で出される「神戸ビーフ」より、
少しくらい高くても常日頃から「神戸ビーフ」のみを取り扱い、
食肉の卸業者とも密接な関係を持ち、良いお肉をよく知っているお店で食べたいからです。
お墓も大島石に限らず、なぜ「国産のお墓」を選ぼうと思ったのでしょう?
きっと、それは「いいお墓」が欲しいと思っているからなのではないでしょうか!
「中国産より国産が安心!」
そう思って「大島石のお墓」を選ばれるのではないでしょうか。
では、なぜ「中国でつくられた大島石のお墓」を買うのでしょう?
(中国でつくられていることを知らずに買っている人も多いが…)
それは、日本でつくった「大島石のお墓」よりも安いからです。
(日本でつくった大島石のお墓を安くしてもらったと思っている人もいるでしょう?)
考え方を原点に戻してみましょう!
「いいお墓」を買うつもりだったのか?
「安いお墓」を買うつもりだったのか?
もちろん、「安くて良い!」にこしたことはありません。
だが、「大島石のお墓」は中国でつくったものであってもそこそこの値段はします。
外国産石材のお墓と比べると、決して「安いお墓」ではありません!
私の個人的な意見を言えば、中国でつくった大島石のお墓は
「安くて良い」どころか、とんでもなく『高くて悪いお墓』だと思います。
「安くて良い」お墓をお考えならばインド産の石のお墓などは最適でしょう。
中国でつくられた「大島石のお墓」を買うくらいなら格段に“良いお墓”でしょう!
中国でつくられた「大島石のお墓」をこんな風に思ってるのは私だけでしょうか?
「いいえ!」きっとそんなことはないでしょう。
中には真実をわかりながらも販売している石材店もあるはずです!
では、「わかっていてなぜ売るのでしょうか?」
それは、「売れるからです!」
「良いものではない!」とわかっていても売れれば利益になります。
商売の悲しさがですがこれが「大島石のお墓」の現実なのです!
したがって、私は中国でつくった「大島石のお墓」を
取り扱っている石材店では「大島石のお墓(国産のお墓)」は買いません!
今回は、最も多く流通している「大島石のお墓」を例に挙げてお話いたしましたが、
「庵治石」「天山石」「万成石」など、すべての国産石材についても同じことが言えるでしょう。
お墓はお家と同じく一生に幾度とない大きな買い物です。
日用品のように買い替えががきくものでもありません。
そして、そこは大切なひとが眠る場所です。
「国産墓石」といって必ずしも安心できません。
品質の善し悪しは別として、材料だけが“国産の石”というお墓が数多く存在します。
『高くて悪いお墓』を買う前に今一度十分に検討されることをお薦めします。
これで、神戸新聞マイベストプロ神戸主催セミナー
「お墓選びで知っておきたい5つのポイント」のおさらい、
4.“国産墓石なら本当に安心?”を終わります。
次回からは、神戸新聞マイベストプロ神戸主催セミナー
「お墓選びで知っておきたい5つのポイント」のおさらいの最後のテーマ、
5.“お墓選びは石材店選び”についてお話しいたします。
~おわり~
「オリジナルデザインのお墓」について詳しくはこちらまで
http://www.daiichisekizai.com/design/cat_cat152/
神戸の「お墓のプロ」、(株)第一石材・能島孝志の神戸新聞取材記事はこちら!
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/
神戸・兵庫・阪神間の“いいお墓づくり”は「和型墓石」から「デザイン墓石」まで第一石材へ
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