「良いお墓を立てる事が出来ました!」(大阪府・山田様)
昨年末、当社に若い男性(以下Aさん)の方からお問い合わせの電話をいただきました。
墓地はすでにとある民営霊園に確保をされており、
お墓のデザインについてのお問い合わせでした。
Aさんはお父様を亡くされデザイン墓石の建立を考えておられるとの事です。
Aさんが当社にお問い合わせをいただいたのは、
全国の個性的なデザイン墓石を100点以上掲載の書籍、
『思いのこもる美しい墓』(六月書房発行・1,680円)に掲載されている
当社設計・製作の墓石の写真をご覧になられ気に入っていただいたからです。
使用石種や写真だけでは判りにくい部分についてなど、
かなり詳しく内容をお知りになりたいご様子でした。
私どもが製作した墓石に高い評価をいただき有り難い限りです。
Aさんの墓地だと当社の商圏エリアでもあったので、
「よろしければAさんの墓地の大きさに合せて設計・お見積りをさせて頂きますが」
……と尋ねたところ、Aさんが購入した民営霊園には「指定石材店制度」があり、
霊園が指定する石材店以外ではお墓を建てることができないとのことです。
(ここ最近ではもっとも多く聞く相談内容の一つです)
なるほど!それなら仕方ないと、色々説明させてもらった後に、
「このような特殊なオリジナルデザイン墓石の製作に精通している石材店でないと、
失敗につながるケースも少なくないですよ!」とアドバイスをさせていただきました。
後は、Aさんの希望どおりのお墓が出来ることを陰ながら願うしかありません。
その後、年が明け今度はAさんの奥様からの電話です。
霊園指定の石材店にAさん夫婦の要望を伝え、
設計・見積りをしてもらったとの事ですが、
Aさん夫婦が想っていた形とイメージが違っていて、
このままだと「想っているものからどんどん遠ざかっていくような気がする」との事です。
そこで、当社に「墓石の設計だけでも依頼できないか?」との申し出です。
Aさんの墓地に「指定石材店制度」という制度ががある以上、
その霊園が指定する石材店以外の業者に業務を依頼出来ないのです。
例え“設計”だけでも墓石の製作業務の一環ですし、
もし、当社が設計業務だけを請け負うことができたとしても、
今度は当社が設計した墓石を他の石材店が造ることが出来るかどうかが問題です。
そして、その霊園の指定石材店がAさんに言ったのは、
「デザインに要望があるなら詳細設計をしてくれればその通りにつくる!」との事です。
それで「当社が製作したお墓のある霊園の場所を教えてほしい」とのお申し出でした。
一般の方が実際のお墓を見て自分の墓地のサイズに合わせてリサイズし、
墓石のデザインをするのはかなり難しい作業のように思えます。
それ以前にプロである石材店が一般の消費者に対し、
墓石の詳細設計を求めること自体に問題があるのではないでしょうか。
もちろん、石材店にもそれぞれ得意な分野とそうでない分野があります。
レストランでもそうです!
和食に中華にフレンチにイタリアンと数多くの種類があります。
例えば、和食のお店に行ってフレンチのメニューを注文するとどうなるでしょう?
きっと「うちでは出来ません!」と断られるでしょう。
ところが、私たちの業界の多くは断らないのです。
もし、断る場合はお客様の希望を無視して、
「うちではこの3種類のお墓しか扱ってない!」とけんもほろろ!
まるで、選挙の時にはあれも出来るこれも出来ると簡単に約束をするが、
当選後は何一つ実現できない今の日本の政治とどこか似ているような気がします。
この「指定石材店制度」という制度は、
お客様が望むお墓を造ることが出来る出来ないにかかわらず、
その制度がある霊園で墓地を購入した以上は、
どんな理由があろうがその指定された石材店でしかお墓を建てることが出来ないのです。
気に入らなければ、その霊園でお墓を建てることをあきらめるしかありません。
(その場合の多くは支払った墓地代は返還されません)
料理に例えると、石材店側も過去に造ったことがないような
「フレンチ」のような注文に対しても、無謀にチャレンジするのです。
そこには、以前はとことん凝ったカタチのお墓を注文される方が
少なかったということも要因の一つに挙げられるでしょう。
その結果、「なんとなくフレンチっぽい?」という感じのお墓が出来上がるのです。
(実際は似て非なるモノが出来上がるケースをよく目にします)
でも、消費者側も過去に「フレンチ」なるものを食べたことが無い時代ならば、
それらしいものでも、「まあ、素敵だわ!」なんて言ってくれたんでしょう。
しかし、モノがあふれ情報収集の手段も多種多様になった近年においては、
消費者の目も肥え、知識も豊富になり、より高度な要求をされるようになりました。
そうなってくると、見よう見まねの「フレンチ」(料理に例えると)では、
消費者の要望に添ったデザインのお墓を建てることはできません。
これからは、時代の流れとともに「指定石材店制度」のあり方を
考えなければいけない時期に来ているのではないでしょうか。
その民営霊園の事業主体である宗教法人と懇意であったり、
霊園の開発時に資金面や運営面等に何らかのかたちで関わった、
などといった理由だけで多くの「指定石材店」が選ばれています。
ホテルの中のレストランであっても、
寿司・和食・中華・フレンチ・イタリアン……と、
消費者のニーズにあわせてお店を選択できます。
これからの民営霊園においては、もっと消費者目線に立ち、
霊園の石材店を指定する際には「和型墓石」「デザイン墓石」等の
各分野のエキスパートをそろえ、少なくともそれらの「指定石材店」の中から
消費者が自由に選べることが最低限必要なことではないかと考えます。
そういう当社もいくつもの霊園から「指定」を頂いておりますが、
それでもあえて「指定石材店制度」には疑問を感じざるをえません。
私ども第一石材も指定を頂いている霊園にて
偶然担当になったお客様にこのような思いをさせないよう、
デザイン力・提案力・技術力、そしてサービスにもより一層の向上をはかり、
お客様に満足していただけるお墓づくりを続けていく所存です。
知らない人が損をする「指定石材店制度」という仕組みについて詳しくはコチラまで
http://www.daiichisekizai.com/blog/2011/09/entry_1720/
「オリジナルデザインのお墓」について詳しくはこちらまで
http://www.daiichisekizai.com/design/cat_cat152/
神戸の「お墓のプロ」、(株)第一石材・能島孝志の神戸新聞取材記事はこちら!
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/
神戸・兵庫・阪神間の“いいお墓づくり”は「和型墓石」から「デザイン墓石」まで第一石材へ
http://www.daiichisekizai.com/