マイベストプロ神戸・無料セミナー開催11/29 「お墓はいるのか?いらないのか?」
~あまり知られていないお墓の流通経路
⑤最終話:安心できる中国産墓石とは?/神戸新聞マイベストプロ神戸主催セミナー
「お墓選びで知っておきたい5つのポイント」おさらい
(2011.11.19コラム)からのつづきです~
前回までのコラムでは、皆様がお買い求めになられるお墓の大半は、
皆様の自宅の近くの石材店がつくっているのではなく、
石材商社を通じて中国の石材加工工場でつくられ、
完全に出来あがったお墓として石材店に届けられる、
という現在の「お墓の流通経路システム」についてと、
そこで生じる“製品のバラつき”についてお話させていただきました。
さて、今回からはこの“製品のバラつき”が中国石材加工工場における、
石職人の技術的な問題や不可抗力によって生じたものではなく、
意図的な「ごまかし加工」によることについてのお話をさせていただきます。
お墓の材料として使用される石は、自然の大地から採掘されます。
様々な鉱物の結合により形成されており、キズや色むら、斑点などもあり、
当然すべてが均一に整った石目・色目ではありません。
そうして採掘された原石のうち、実際に墓石として使用できるのは、
採掘された全体量の約半分から8割程度です。
世界一の銘石と称される香川県産の「庵治石細目」に至っては、
最高級墓石として市場に出されるのは全体の約3%しかありません。
日本では古来より石職人が、これらの石からキズや色ムラのある部分を避け、
均一の石目・色目の部分だけを選り分けてお墓づくりをしてきました。
それゆえに、お墓は国産の石材しか無く、非常に高価なものでした。
ところが、1990年代の頃から中国での墓石製作が始まりました。
これにより、お墓は高価なものだけではなく、
「墓石セット○○円!」といった、お手頃価格の中国産墓石が市場に出てきました。
ここまでなら、何の問題も無かったのですが、
より安価なものを求める消費者に応えるためと、
売り手側がより多くの利益を追求しようと考え、
本来ならば使わないような石に、熱処理や薬品を使用し、
キズや色ムラなどを隠し、染料で着色を施し製品に仕上げるなど、
様々な“ごまかし加工”が行なわれるようになりました。
近年世間を騒がせた、建築耐震偽装事件や数多くの食品偽装事件と同じです。
しかし、厄介なことに墓石業界には、「建築基準法」や
「食品衛生法」のような規定法律が無いため、
現在でも中国の石材加工工場では当たり前のように、
“ごまかし加工”を行っているところも決して少なくありません。
石は何万年、何億年と、長い年月を経て形成され、
人間が自然界から授かった貴重な天然資源です。
人間の体にホクロなどがあるように、石にも様々な部分があるのは当然です。
しかし、消費者側からすると、いくら自然のものといえど、
キズや色ムラ、斑点などがあるお墓を買うことは許せないことです。
だが、買う側からすれば「価格は安い方がいい!」
だからといって、“ごまかし加工”がいいとは言えませんが、
このあたりに、「お墓のごまかし」が行なわれる背景があるのです。
お墓は「高ければ良い」というものではありませんが、
他の商品と同じく、極端に安すぎるものに良いものはありません。
~つづく~
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