お墓が「思ったものと違う」と言われた③最終話:トラブルの発生を防止するには?【石屋の法律相談】
Q 著名人の墓所等で、お骨を盗まれたという事例が過去にありますが、
実際に盗まれた場合、霊園などの管理責任は問われるのでしょうか?
A お骨をお墓や納骨堂等にきちんと埋葬や収蔵したうえ、
きちんと管理している限り、霊園などの管理責任を問われることはないと考えられます。
【解説】
1.お骨の盗難と犯罪
お骨を盗難する行為は、死体損壊等罪(刑法189条)として、懲役3年以下の刑に処され、
さらにお墓を壊してお骨を盗難した場合、墳墓発掘死体損壊罪(刑法191条)に該当し、
3カ月以上5年以下の懲役の、より重い刑で処罰されます。
この場合、同時にお骨に対する窃盗罪が成立するかは、
学説上、肯定説と否定説が対立しています。
なお、実際に、お骨を盗んだ上、遺族に対し、
「お骨を返してもらいたいならば、お金を払え」
という要求をした事件が起こったことがありますが、
この場合には、恐喝罪もしくは恐喝未遂罪(刑法249条・250条)も成立します。
~つづく~
※参考文献:日本石材工業新聞 第1904号(日本石材工業新聞社発行)
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