日本一の銘石「庵治石」の特徴とは…

能島孝志

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テーマ:日本の銘石

庵治石は花崗岩の一種で、地質学的には「黒雲母細粒花崗閃緑岩」に分類されます。

石英、長石、雲母、角閃石を含む硬い岩石で、結晶が極めて小さく、
結合がち密なため、他の花崗岩と比較してもより硬いのが特徴の一つです。

モースの硬度表で説明すると庵治石は、石英、水晶と同じ7度という硬度のため、
加工には苦労しますが、反面細かな細工や彫刻が可能です。

ち密ゆえに水を含みにくく、風化や変質にも強いため、
長年に渡り彫られた文字が崩れたり、変色したり、艶が無くなったりしないといわれています。

庵治石はさらに「細目(こまめ)」、「中細目(ちゅうこまめ)」、「中目(ちゅうめ)」に分類されます。

庵治石細目(あじいしこまめ)

■比重:2.66
■吸水率:0.19%
■耐用強度:24.2㎏/㎡

「庵治石細目(あじいしこまめ)」は小さな黒雲母の数が多く、磨くと青黒い細かな「紺がすり」のようになります。

その上、最大の特徴は「斑(ふ)」または「ぼたん」と呼ばれる現象がおこり、
指先で押さえて、湿り気、潤いを与えたようなまだら模様のあることで、
石の表面が二重の「かすり模様」をみせます。

この現象は世界中の石材の中でも類がなく、艶やかな光沢があり最高級と折り紙付きの石材です。

庵治石中細目(あじいしちゅうこまめ)

■比重:2.67
■吸水率:0.20%
■耐用強度:20.0㎏/㎡

「庵治石中細目(あじいしちゅうこまめ)」は含まれる黒雲母の数が少ないので
庵治石細目と比較するとやや白く見えます。

硬度は細目と同じですが、透明感と繊細で優しい石質が高級感を備えています。

庵治石中目(あじいしちゅうめ)

■比重:2.67
■吸水率:0.20%
■耐用強度:18.8㎏/㎡

「庵治石中目(あじいしちゅうめ)」はさらに含まれる黒雲母の数が少ないため
庵治石細目、庵治石中細目と比べるとより白く見えますが、硬度は両者と全く同じです。

また、少量の白雲母が混じっているので、銀粉を吹いたような輝きを見せるものもあり、
白い長石が桜のように舞い、優美な光沢、独特の色合いをかもしだしています。

庵治石は世界に類の無い質の良さと希少価値から、石材としては世界一と評され、
産地には有名彫刻家がアトリエをかまえています。

庵治石は他の花崗岩では感じられない四季を通しての様々な表情を楽しませてくれます。

春のほのぼのとした日差しによって際立つ透明感のある青色。

夏には厚さをしのぐ優しさを兼ね備えた躍動感。

秋には紅葉と共に深みを増した風合い。

冬には静寂と暖かさを感じさせてくれます。

日本の風土で育まれた庵治石は日本人の心の石でもあります。

「庵治石」について詳しくはこちらまで
http://www.daiichisekizai.com/choose_stones/2010/01/entry_692/
神戸の「お墓のプロ」、(株)第一石材・能島孝志の神戸新聞取材記事はこちら!
http://mbp-japan.com/hyogo/daiichisekizai/
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http://www.daiichisekizai.com/

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能島孝志(1級お墓ディレクター)

株式会社第一石材

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