【神戸市立墓園】2024年(令和6年)秋のお彼岸時期墓参のお知らせ
~前のコラムからの続きです~
お墓に使用する「御影石」と呼ばれる花崗岩は、
数千年前から数億年前(恐竜がいたころです)に
地球深部のマグマが表層でゆっくり冷やされて固まってできたものです。
その「御影石」にはいろんな鉱物が含まれ、
形成された時期・場所等により色・石目・特性もさまざまです。
そして、その組織は複雑なパズルのようにち密に結合されています。
日本の石職人たちは永い経験と匠の技で石の良し悪しを見極め、
色目や石目をていねいに合わせながら精魂こめて墓石を造ってきました。
それゆえに、「お墓」は必然的に高価なものとなります。
1990年代に入り、福建省を主な拠点とした
中国における本格的な墓石製作が始まりました。
当初は、中国産の石のみを使用しての墓石製作でしたが、
次第に、インド、アフリカ、ヨーロッパなど、
世界中の石が中国に集められ墓石として製作されるようになりました。
日本の石職人が作る墓石と比較すると
技術的な面を含め根本的な違いがあると思いますが、
低価格であることもあり中国で造られた墓石が
次第に需要の主流となってきました。
今では、日本で建てられるお墓の大半が中国で製作されているのです。
また、日本で製作すると形状が複雑なため
高い加工費を要する「デザイン墓石」なども
中国で製作することにより人件費コストが削減され
数多くの普及につながったことは評価できます。
こうして、お墓は以前に比べ安価で建立できるようにもなり、
墓石の形に関してもお客様からのさまざまなご要望にも
お応えすることができるようにはなったのですが…。
なぜかその後、日本の石も中国に送られるようになり、
墓石として加工・製作され逆輸入されるようになったのです。
私はやはり、日本の石は日本で加工・製作し、
中国の石を含む外国産の石は中国等の外国で造る、
という形が理想的であるようにように思います。
中国で墓石を製作することについては別に悪いことではありません。
だが、より一層のコスト削減と、利益追及のために、
あやゆる方法を用いて“お墓のごまかし”が行われるようになったのは大きな問題です。
しかし、中国におけるさまざまな“お墓のごまかし”については
2008年に問題になった「毒入りギョーザ事件」とはかなり性質が違います。
「毒入りギョーザ事件」は中国側で一方的に行われた事件に対し、
“お墓のごまかし”はコスト削減と利益追求のため
日本企業が主導となって行ってきたものです。
~つづく~
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