三貴子の分治「神話から見る日本の原点⑨・最終話」 

能島孝志

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~前のコラムからの続きです~

■三貴子(さんきし)の分治(ぶんち)

イザナギはたいそう喜び「私はたくさんの子を次々と成り立たせたが、
最後に三人の貴(とうと)い子たちを得ることができた」というと、
首飾りの玉をゆらゆら揺らしながら

天照大神に与えて「おまえは高天原を治めなさい」、

月読命には、「お前は夜の世界を治めなさい」、

スサノヲの命には「お前は海の世界を治めなさい」と、
それぞれに(分治を)任されました。

みなイザナギの言いつけ通り治めましたが、
スサノヲだけがそむいて治めず、
あごひげが胸まで伸びても泣き叫んでばかりいます。

その泣き方は青々した山が枯れ、
海河が干し上がるほど激しいものでした。

すると、まるでハエがうるさくドッとわき出したように
悪神があたりに満ちあふれ、わざわいが起こり始めました。

父神イザナギが「なぜ任せた国を治めずに泣きわめくのか」ときくと、
スサノヲは「私は亡くなった母さんが行った妣(はは)の国、
根の堅洲国(かたすくに)へ行きたくて泣いているのです」と答えました。

これを聞くと父神はたいそう怒り
「それならお前はこの国に住んではならん!」といって、追放されてしまいました。

なお、イザナギの大神は淡海(あふみ→近江=滋賀県)の
多賀神社に鎮座しておられ(まつられてい)ます。

            …………(以下は省略します)

※日本人のお墓(小畠宏允著・日本石材産業協会発行)より

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