天地のはじめ「神話から見る日本の原点①」 

能島孝志

能島孝志


『古事記』の神代(かみよ)の物語には、
天地の始まり、神々の誕生、
そして死、死から死後の世界へと展開し、
日本人の原点となる「世界観」や「死生観」の中で、
「死」や「けがれ」、「お墓」の問題が語られています。

■天地のはじめ

始めに天の中心と、万物を生み出す
二柱(ふたはしら)の神があらわれます。

天地は混沌(こんとん)として土地は固まらず
ブヨブヨした水に浮かぶ油のようで、
クラゲみたいにただよっていました。

そのとき葦(あし)が芽吹くような勢いの神があらわれます。

そして天と地を安定させる二柱の神、
天地の間の雲の神、泥と砂の二柱の神、
多くのものを生み出すため男と女にわかれた二柱の神、
男根と女陰(ほと)をあらわす二柱の神、人の顔をあらわす神、
(男女を結びつけて命を生み出す)不思議な調和の力の神が次々とあらわれ、

最後に、姿がととのった男女の、
結婚をいざなう男の神「イザナギの命(みこと)」と
女の神「イザナミの命」の二柱の神があらわれて、
高天原(たかまがはら)という神々の国が誕生しました。

                    ~つづく~  

※日本人のお墓(小畠宏允著・日本石材産業協会発行)より

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