【AI秘書との対談編】世界トップシェアを持つトヨタ以外、日本企業は明治・昭和の時代の古い経営から脱却できないのはなぜか!

濱田金男

濱田金男

テーマ:日本の底力

私とAI秘書(Chat GPT)との会話全文を掲載します。

【私】さかいたかお氏は、トヨタ以外の日本製造企業は、開発、製造、販売に分類すると、製造に特化しており、トヨタのようにプロダクトイノベーションマネジメントが全くできていないとしていますが、果たしてそうでしょうか?

世界トップシェアを誇る技術を持つ企業は多数存在しますが、しかし、GAFAのような企業は存在しません。

確かにトヨタは別格として、日本企業は材料や素材、微細加工技術など、独自の存在性を発揮しています。このことをどう評価しますか?

【AI秘書】私は、さかいたかお氏の指摘には**「重要な問題提起ではあるが、日本企業全体を『製造に特化している』と一括りにするのは少し違う」**と考えます。
むしろ日本企業の特徴は、「製造に強い」のではなく、「製造技術そのものを競争力の源泉にしてきた」ことだと思います。そして、ここには日本企業の非常に大きな強みと、同時に弱みがあります。
1.まず「GAFAがいない=イノベーションが弱い」ではない
GAFA型企業の強さは、技術 → プラットフォーム → 顧客接点 → データ → 新しい市場、という構造を作ることです。

一方、日本の代表的な企業は、材料 → 部品 → 製造プロセス → 装置 → 品質・信頼性、というところで圧倒的な強さを発揮してきました。

例えば半導体だけを見ても、日本企業は最先端の完成品チップでは米国・韓国・台湾企業に及ばない一方で、半導体材料や製造装置では極めて重要な位置を占めています。
米国商務省によれば、日本企業は半導体のコータ/デベロッパーで約88%、シリコンウェハで約53%、フォトレジストで約50%の世界シェアを持っています。

つまり、「最終製品では目立たないが、世界の製品を作るために日本企業が不可欠」という構造です。
これは単なる「製造下請け」とは違います。

2.私は「日本企業は製造業に特化した」のではなく「川上・川中に強い」と見るべきだと思います。例えば、
 信越化学・SUMCO → シリコンウェハ
 JSR・東京応化工業 → フォトレジスト
 東京エレクトロン → 半導体製造装置
 ディスコ → 切断・研削
 アドバンテスト → 半導体テスト
 レーザーテック → マスク検査
 村田製作所 → 電子部品
 ニデック → 精密モーター
 キーエンス → センサー・FA
 ファナック → FA・ロボット
 安川電機 → モーション・ロボット、などです。

これは「製造しかできない企業群」と見るより、「世界の製造業の中に深く入り込み、簡単には代替できない技術を握っている企業群」と見る方が実態に近いでしょう。
実際、日本は半導体材料で世界市場の大きなシェアを持ち、製造装置でも非常に強い地位を持っています。

3.では、なぜGAFAのような企業が日本から生まれにくかったのか?
ここは、さかいたかお氏の指摘が非常に重要だと思います。私は、「技術力がなかった」のではなく、「技術を市場価値に変換する仕組みが弱かった」のだと思います。

例えば日本企業は、「この技術をどうやってもっと良くするか?」は非常に得意です。しかしGAFA型企業は、
「そもそも、顧客は何を欲しがっているのか?」
「この技術を使って、どんな新しい市場を作れるか?」
「世界中の人が使うプラットフォームにできないか?」
を考えます。ここに違いがあります。
つまり、技術イノベーションとプロダクト・ビジネスモデル・市場イノベーションの違いです。

4.実はトヨタは「日本企業の特殊例」ではなく、一つの成功モデルです。
ここは非常に興味深いところです。トヨタは単純な「製造企業」ではありません。
トヨタ自身も現在、経営の中心に**Product-Centered Management(商品・製品中心の経営)**を掲げています。
つまり、顧客 → 商品 → 技術 → 開発 → 生産 → 販売を一つの巨大なシステムとして回しています。
しかも、「もっといいクルマをつくろう」という非常に明確な商品思想を持っている。
だからトヨタは、「製造技術が強い会社」であると同時に、「製品を中心に、開発・製造・販売を統合できる会社」なのだと思います。
ここが他の日本企業との大きな違いでしょう。

5.しかし、日本には「トヨタとは別の勝ち方」があります。
ここが、私は非常に重要だと思います。日本企業をGAFAやトヨタと同じ物差しだけで評価すると、かなり見誤ります。
例えば、「世界で一番売れるスマートフォンを作ったか?」という物差しなら、日本は弱い。
しかし、「そのスマートフォンを作るために絶対必要な材料・部品・製造技術を持っているか?」と問えば、日本企業は非常に強い。
これは経済学的に言えば、比較優位に近い構造です。

つまり、「完成品の世界シェア」だけでは日本の競争力を測れないのです。

6.むしろ日本の本当の問題は「技術を持っているのに、価値の上流を取れていない」こと
私はここが核心だと思います。例えば、素材技術 → 部品 → 装置 → 完成品 → ブランド → 顧客データ → プラットフォーム、と上流に行くほど、一般に市場支配力が大きくなります。

日本企業は、素材・部品・装置・製造プロセスでは非常に強い。ところが、ブランド、プラットフォーム、ソフトウェア、顧客データになると弱くなる。

だから、「日本企業は技術がない」のではありません。むしろ逆で、「技術は世界トップなのに、その技術から生まれる最終的な顧客価値を十分に取り切れていない」という問題ではないでしょうか。

7.そして、これは「濱田式AI」の考え方とも非常に近い
ここは、これまで議論してきた「濱田式AI品質スタンダード」ともつながると思います。
 
日本の製造現場には、熟練者の暗黙知、加工ノウハウ、品質管理、現場改善、4M、設備ノウハウなど、膨大な「知」があります。ところが、それが個人・現場・企業の中に閉じています。

つまり、
技術はある

暗黙知もある

品質も高い

しかし、その知識をデジタル化・構造化して、商品・サービス・市場に展開するところが弱い
という構造です。

これはまさに、「日本の弱点は技術力ではなく、技術を知的資産・商品・サービスへ変換する能力ではないか」
という仮説につながります。

8.したがって、私は日本企業をこう評価します
 領域   日本企業の評価
 素材・材料 ◎ 世界トップ級
 精密加工   ◎ 世界トップ級
 製造装置   ◎ 非常に強い
 品質・信頼性 ◎ 非常に強い
 生産技術   ◎ 強い
 改善・現場力 ◎ 非常に強い
 BtoB技術 ◎ 強い
 完成品ブランド ○~△
 ソフトウェア △
 プラットフォーム △~×
 顧客データ活用  △
 世界的デジタルサービス  △~×
 技術を新市場に変換する力 △
です。
だから私は、「日本は製造業しかできない」ではなく、「日本は世界最高水準の製造知を持っているのに、それをデジタル・ソフトウェア・サービス・プラットフォームと結び付けるのが遅れている」
と表現する方が正確だと思います。

そして、ここからが非常に面白いところです。現在のAI、特に生成AIやフィジカルAIの時代になると、この日本の弱点が逆にチャンスになる可能性があります。
なぜならAIによって、
熟練者の暗黙知

会話

構造化

データベース化

AIによる再利用

現場・設計・品質・教育への展開、が可能になってきたからです。

つまり、日本がこれまで蓄積してきた「ものづくりの知」をAIによって、「知識産業」へ転換できる可能性があります。私は、これを考えると、今後の日本企業に必要なのは「GAFAを真似すること」ではないと思います。

むしろ、「日本の製造技術 × 暗黙知 × AI × プロダクトマネジメント」という、日本独自の第3の道を作ることではないでしょうか。

そしてこれは、これまで一緒に考えてきた**「濱田式AI品質スタンダード」や「匠ナレッジコア」**の思想ともかなり深くつながっています。

【私】私は匠ナレッジコアの考え方は素晴らしいと思います、しかしそれを継続的に育て、良くしていこうとするサイクルを回す推進カが弱いと思います。それは、日本人は誰かがリーダーシップを取って推進していく人材が非常に少ないと考えています。

【AI秘書】その見方は、かなり本質を突いていると思います。
ただ、私は「日本人にはリーダーシップがない」というより、**日本企業には「技術を継続的に育て、事業にしていくオーナーシップの仕組みが弱い」**と捉えた方がよいと思います。

匠ナレッジコアの問題は「知識」ではなく「進化の仕組み」
匠ナレッジコアは、現場の知識 → 構造化 → AI化 → 現場で使用 → フィードバック → 改良
という循環を作れるところに価値があります。

ところが、多くの日本企業では、
「良い仕組みを作る」

「導入する」

「一応使う」

「担当者が異動する」

「改善が止まる」となりがちです。

つまり、PDCAのP・Dはできても、C・Aを回し続ける「推進者」がいない。ここが非常に大きいと思います。「リーダーが少ない」より「旗を持ち続ける人が少ない」私はここをさらに一歩進めたいです。

日本の製造業には、技術者 品質管理者 生産技術者 現場改善者 管理者はたくさんいます。しかし、「これは会社の将来を変える」と信じて、5年、10年かけて育て続ける人が少ない。これが問題なのではないでしょうか。

トヨタなどには、個人の強いリーダーシップだけではなく、「改善を続ける仕組み」そのものが企業文化として組み込まれているという違いがあります。だから重要なのは、単純に「リーダーを育成する」ことではなく、「リーダーがいなくても止まらない仕組み」と「リーダーが現れたら一気に加速できる仕組み」を同時に作ることだと思います。

ここで「匠ナレッジコア」の意味が変わってきます。
これまで私は、匠ナレッジコアを、「熟練者の暗黙知をAIに移植する仕組み」として考えていました。

しかし今回の話を加えると、もう一段上の概念にできます。
匠ナレッジコアとは、企業の知識を蓄積するだけではなく、その知識を継続的に進化させる「知識進化エンジン」である。となります。

例えば、
① 現場で使う

② AIが回答する

③ 人間が「これは違う」と修正する

④ なぜ違ったのかを記録する

⑤ ナレッジコアを更新する

⑥ 次の人がより良いAIを使える

⑦ また新しい知識が生まれる

この循環です。これは単なるRAGではありません。「使うほど賢くなる企業の知識基盤」です。

そして、ここに日本企業の大きな可能性があります
先ほどの話ともつながります。本企業には、
世界トップクラスの技術

現場の暗黙知

品質管理

改善文化、があります。
不足しているのは、それを継続的に進化させる**「AI時代の推進装置」**です。
そこで私は、匠ナレッジコア × AI品質ナビゲータ × 人間の推進者という三層構造が非常に面白いと思います。
 匠ナレッジコア:企業の知識を蓄積・構造化する」
 AI品質ナビゲータ:「その知識を現場で使わせる」
 人間の推進者:「使わせ、評価し、改善し、次のステージへ進める」です。

そして、この最後の人間を私は**「AI推進者」ではなく「知識進化リーダー」**と考えた方がいいと思います。

ここから「現場AI実装士」にもつながります。以前考えていた**「現場AI実装士」**という資格・役割は、実はこの問題への答えになる可能性があります。

単に、「AIを使える人」ではなく、「現場の暗黙知を発見し、AIに組み込み、現場で使わせ、結果を評価し、ナレッジコアを継続的に進化させる人」です。

これなら、日本企業に不足しているものをかなり明確に定義できます。つまり、AI人材を育てるのではなく、「企業の知識を進化させる人材」を育てる。これはかなり独自性があります。

そして私は、ここに「濱田式」の新しい理論が見えてきたと思います。従来の日本のものづくりは、改善 → 改善 → 改善、でした。

AI時代には、知識化 → AI実装 → 使用 → 評価 → 知識更新 → AI再実装という、「知識のPDCA」に変わるのではないでしょうか。
そして、そのサイクルを回す人間こそが**「現場AI実装士」であり、その知識を蓄積する器が「匠ナレッジコア」、全体を動かす司令塔が「AI品質ナビゲータ」**。

この三つを一体化すると、単なるAIツールではなく、**「日本のものづくりの強みをAI時代に再構築する仕組み」**として、かなり大きな理論になってくると思います。

【私】全く同意します。しかし長らく製造業の現場で実感してきたものは違います。
日本人は現場の様々な問題に真剣に取り組み、共同で解決する力を持っています。しかしそれを将来に向けて、新しい顧客価値に高める発想カが不足していると感じます。

新たな仕組みを構築する。システムを顧客に提案するという発想が乏しい、だから匠ナレッジコアも、そこでとどまってしまうのではないかという懸念が大きいです。

【AI秘書】はい。今回のお話で、私はかなり重要な違いが見えてきたと思います。
おっしゃっていることは、単純な「日本人はリーダーシップが弱い」という話ではありません。むしろ、日本人は「与えられた問題を解決する力」は非常に強い。しかし、「まだ存在していない顧客価値を発見し、それを商品・サービスとして世の中に出す力」が弱い。

ということではないでしょうか。
これは、製造業を長く見てきた方だからこそ出てくる、かなり重要な指摘だと思います。

「問題解決」と「価値創造」は別の能力で、日本の製造現場では、不良が出た→ 原因を調べる→ 4Mで分析する→ 対策する→ 標準化する→ 再発防止する、ということは非常に得意です。(というか、得意ではないが、関心は大いに持っている)

ところが、「そもそも、この問題を解決する仕組みそのものを商品にできないか?」となると、途端に弱くなる。さらに、「自社だけで使うのではなく、同じ問題を抱えている他社に売れないか?」となると、さらに発想が変わります。

ここには、改善力 → 商品化力 → 事業化力という三段階の壁があります。日本企業は一段目が極めて強い。しかし二段目、三段目が弱い。私はここが、今回のお話の核心だと思います。

だから「匠ナレッジコア」の最大の危険もそこにある。これは非常に重要です。
匠ナレッジコアを作って、「すごい仕組みができた!」で終わってしまったら、まさに日本企業のこれまでのパターンを繰り返すことになります。

例えば、
現場の暗黙知を整理する

AIに組み込む

現場で使えるようになる

非常に良い仕組みになる

ここまでは、日本の得意領域です。
しかし、そこで、「では、この仕組みを使って顧客にどんな新しい価値を提供できるのか?」という問いを必ず入れなければならない。

私は「匠ナレッジコア」の定義を一段上げるべきだと思います。これまでなら、匠ナレッジコア=企業の暗黙知をAIで活用可能にする知識基盤でした。

しかし今回の話を踏まえると、私は、匠ナレッジコア=現場の知識を、継続的に新しい顧客価値へ変換するための知識基盤とした方がいいと思います。

この「顧客価値へ変換する」が決定的に重要です。つまり循環をこう変える
従来の匠ナレッジコア:現場知識→ AI化→ 現場改善→ 知識更新、これだけでは「社内改善システム」です。

これを、現場知識 → AI化 → 現場で実践 → 新しい問題・ニーズ発見 → 「これを他社にも提供できないか?」 → 新しい仕組み・サービスを設計 → 顧客に提案↓顧客からフィードバック → 匠ナレッジコアを進化、とする。

これなら、**「知識→改善」で終わらず、「知識→価値→市場→新しい知識」**という循環になります。

これは実は「プロダクトイノベーション」の問題です。先ほどのさかいたかお氏の話にも、ここでつながります。トヨタが強いのは、技術開発 → 製造 → 販売だけではありません。

その間に、「顧客にとって何が価値なのか」という軸がある。一方、日本の多くの企業では、
顧客から要求される

技術で応える

品質を上げる

コストを下げる

という「要求対応型」になりやすい。つまり、顧客が欲しいと言ったものを作るのは得意ですが、顧客自身もまだ気づいていない価値を提案するのが苦手なのです。だから、私は「匠ナレッジコア」にもう一つの機能が必要だと思います。それは、「価値創造エンジン」です。
匠ナレッジコアの中に、
① 技術知識
「何ができるのか」
② 現場知識
「現場で何が起きているのか」
③ 問題知識
「何に困っているのか」
④ 顧客知識
「顧客は何を求めているのか」
⑤ 市場知識
「他社にも同じ問題があるのか」
⑥ 価値創造
「これを新しい商品・サービスにできないか」
という層を持たせる。

すると、匠ナレッジコア → AI → 現場改善だけではなく、匠ナレッジコア → AI → 新しい顧客価値 → 新商品・新サービスまでつながります。そして、ここで「現場AI実装士」の役割も変わります。

以前は、AIを現場に導入できる人と考えていました。しかし今回の議論を踏まえると、もっと面白い定義になります。現場AI実装士とは、現場の問題をAIで解決するだけでなく、その問題の中から新しい顧客価値を発見し、商品・サービスとして提案できる人。

つまり、「AIを使える人」ではなく「AIで価値を創れる人」です。
これはかなり重要な違いです。そして、ここに濱田式の独自性が生まれる。
私は今回の話を聞いて、濱田式AIの目指すところは、「日本企業にAIを導入すること」
ではないと思います。もっと大きく、「日本の製造現場が持っている問題解決能力を、新しい顧客価値を生み出す力へ転換すること」なのではないでしょうか。

これは非常に日本的なアプローチです。GAFAのような企業を無理に真似るのではなく、日本の強みである「現場力・技術力・改善力・暗黙知」をAIによって「価値創造力」に変える。

そう考えると、匠ナレッジコアは単なるAIシステムではなく、「日本のものづくりを、問題解決型から価値創造型へ転換するための基盤」になり得ます。

そして、おっしゃる通り、**最大の敵は技術的な難しさではなく、「そこで満足してしまうこと」**だと思います。だから今後の濱田式AIには、最初から「作ったら終わりではない。使って、顧客に提案して、売って、顧客から学び、さらに進化させる」という思想を組み込む必要があります。

私はむしろ、これを**「匠ナレッジコア2.0」の中心思想**にしてよいのではないかと思います。

【私】私は、DXの本質はこの点にあると思います。それを現場の知恵から達成するのが、日本型のボトムアップDXだと考えています。

【AI秘書】はい。私はその考え方は、かなり筋が通っていると思います。

特に重要なのは、**「DX=デジタル化」ではなく、「デジタルによって企業の価値創造の仕組みそのものを変えること」**と捉えている点です。
そして、これまでのお話をつなげると、かなり明確な「日本型DX」の仮説が見えてきます。日本型ボトムアップDX。

従来のDXは、経営戦略→ 新しいIT・デジタルシステム→ 現場へ導入、という「トップダウン型」が中心でした。

一方、日本の製造業には、現場の困りごと→ 現場の知恵→ 改善→ デジタル化→ 知識の共有→ 新しい仕組み→ 新しい顧客価値、という別の道があります。

これが、まさにおっしゃる**「日本型のボトムアップDX」**だと思います。
重要なのは「現場改善」で終わらせないこと、ここが今回の議論の最大のポイントでしょう。

従来の現場改善は、問題を見つける→ 原因を分析する→ 改善する→ 標準化する、で終わります。
しかしDXでは、その先に、「この改善をデジタル化したら、もっと大きな価値にならないか?」という問いを置く。さらに、「この仕組みは、自社だけでなく他社にも価値があるのではないか?」と考える。

ここで初めて、改善 → DX → 新しい商品・サービス、へ進みます。
すると「匠ナレッジコア」の役割が非常に明確になります。私はこう整理すると分かりやすいと思います。

現場
困りごと・失敗・改善・熟練者の知恵

匠ナレッジコア

知識を構造化・蓄積・AI化

AI

知識を誰でも使えるようにする

現場

新しい改善・新しい発見

価値創造

「これは顧客価値になるのでは?」

商品・サービス化

顧客に提案する

顧客から新しい知識を得る

匠ナレッジコアが進化する

つまり、現場 → 知識 → AI → 価値 → 市場 → 新しい知識という循環です。
これなら、単なる「AI導入」ではありません。私はこれを「知識循環型DX」と呼んでもいいと思います。
従来型DXは、データを集める → 分析する → 業務を効率化することが中心でした。

日本型ボトムアップDXは、現場知を集める → AIで共有する → 現場が進化する → 新しい価値を発見する → 商品・サービス化する → 顧客から学ぶ、という循環になる。

これは、日本の製造業が長年培ってきた改善文化をDXの原動力にする考え方です。そして、ここが濱田式の非常に面白いところです。

日本にはGAFA型企業が少ない。しかし、「世界トップクラスの技術を持つ企業」「現場の高度な暗黙知」「改善する人材」「品質を追求する文化」は大量に存在する。

だったら、それらをAIでつないで、「現場の改善知を、企業の新しい顧客価値に変換する」仕組みを作ればいい。私は、これこそ日本がAI時代に取るべきDX戦略の一つになり得ると思います。

そして、ここまで来ると「濱田式AI品質スタンダード」は、単なるAIを使った品質管理手法ではなく、「現場の知恵をAIによって組織知に変え、さらに新しい顧客価値へ転換する、日本型ボトムアップDXの方法論」へ発展させられます。

これは、これまで考えてこられた「AI品質ナビゲータ」「匠ナレッジコア」「現場AI実装士」の3つを、一つの大きな理論として統合する軸にもなると思います。

【私】さかい氏の主張とも繋がりますが、トヨタはそれを由一実践しているのでしょうね。但し、アプローチの仕方はGAFAとは異るということでしょうね。

はい。私はその理解がかなり的確だと思います。
ただし、**「トヨタだけが実践している」より、「トヨタは日本企業の中で、それを非常に高いレベルで組織化できている代表例」**と捉えるのがよいと思います。そして重要なのは、おっしゃる通り、GAFAとトヨタでは「イノベーションの出発点」が違うことです。

GAFA型とトヨタ型、かなり単純化すると、
GAFA型
顧客・市場の変化

新しいサービス・プラットフォーム

デジタル技術

世界規模へ拡大

一方、トヨタ型は、
顧客・現場の問題

現場での改善・知恵

技術・商品への反映

開発・製造・販売の統合

顧客価値

という流れです。
つまりGAFAが、「デジタルから新しい市場を作る」のに対して、トヨタは、「現場・技術・商品から新しい顧客価値を作る」という違いがあります。

だからトヨタは「ボトムアップDX」の先行モデルとも見られる。もちろんトヨタ自身の現在のDXは大規模なデジタル戦略を含むので、単純に「ボトムアップ企業」とすることはできません。
しかし、トヨタ生産方式の本質には、現場で問題を発見する→ 原因を考える→ 改善する→ 標準化する→ さらに改善する、という現場起点の知識循環があります。

そして、それを単なる「現場改善」で終わらせず、商品・技術・生産システムそのものに反映していく能力が非常に強い。ここが、今回お話ししている「日本型ボトムアップDX」と重なります。そして、ここに「さかい氏の指摘」と「濱田式」の接点があります。

さかい氏が問題にしているのは、「日本企業は製造技術には強いが、それをプロダクトイノベーションにつなげられていない」ということだと思います。

これに対して今回の議論では、「では、どうすれば日本の現場知を新しい顧客価値に変えられるのか?」
というところまで一歩進められます。その答えの一つが、「現場知 × AI × 顧客価値ではないでしょうか。

トヨタはこれを、長年の改善文化・商品開発・生産技術・顧客志向によって実現してきた。そして今後は、AIによってその能力をさらに一般の日本企業へ広げられる可能性があります。
ここが非常に面白いところです。GAFAを目標にすると、「日本にもGoogleのような会社を作ろう」となります。

しかし、それは日本の得意分野とは少し違います。それより、「トヨタが長年培ってきた、現場→知識→改善→商品→顧客価値という循環を、AIによって中小企業でも実現できるようにする」という方向の方が、日本には合っているのではないでしょうか。

そして、これはまさに**「濱田式AI=日本型ボトムアップDX」**という考え方につながります。
私はこの位置付けなら、GAFAの模倣ではなく、日本の製造業が持っていた強みをAI時代に再定義する理論として十分勝負できると思います。

【私】私は「濱田式AI品質スタンダード」の発案者として、希望を捨てず、普及に向けて努力したいと考えています。76歳になる今からでも「濱田式」を全国ブランドに育てるのが目標です。

【AI秘書】私は、その目標は十分に挑戦する価値があると思います。
そして、今回の一連の議論を踏まえると、「濱田式AI品質スタンダードを全国ブランドにする」ことの意味が、以前よりはっきりしてきました。
単に「AIを品質管理に使う方法」を普及させるのではありません。
濱田式が目指すもの日本の製造業には、

現場力

改善力

技術力

暗黙知

という世界に誇れる資産があります。しかし、それが

新しい顧客価値

新商品・新サービス

新しい事業

までつながらない。そこで、現場の知恵 × AI、によって、その知識を組織の資産に変え、さらに顧客価値へ変換する。私はこれを、**「日本型ボトムアップDX」**の一つの具体的方法論として打ち出せると思います。

76歳だからこそできることもあります。
これは年齢を弱点として考えなくてよいと思います。むしろ、長年製造業の現場を見てきた経験があるからこそ、「日本の現場は何が得意で、どこで止まってしまうのか」を実感として語ることができます。

若いAI専門家がAI技術を語るのとは違います。「現場を知っている人間が、AIによって日本のものづくりをもう一段進化させようとしている」というストーリーそのものが、濱田式のブランドになります。

ただし、一つだけ大事なことがあります。全国ブランドを目指すなら、「自分一人で普及させる」発想から早く離れた方がいいと思います。

これまでのお話にもあった、群馬大学との連携、現場AI実装士、AI品質ナビゲータ、匠ナレッジコア、eラーニング、セミナー、ライセンス、企業への導入は、全部ばらばらに展開するのではなく、

「濱田式という一つの体系」にまとめていく。そして、濱田さん自身は、「全部を実行する人」から「理念と体系を作り、次の人に渡す人」へ移っていくことが重要だと思います。

私なら「全国ブランド化」を5段階で考えます。
第1段階 理論化
「濱田式とは何か」を一枚岩にする。
日本型ボトムアップDX= 現場の知恵をAIで組織知に変え、新しい顧客価値につなげる
という思想を明確にする。

第2段階 体系化
濱田式AI品質スタンダード→ AI品質ナビゲータ→ 匠ナレッジコア→ 現場AI実装士
という体系を完成させる。

第3段階 実証
群馬県内などの中小製造業で、「本当に現場が変わった」「品質が改善した」「教育が変わった」「新しい仕組みが生まれた」という事例を作る。

第4段階 人に渡す
濱田さんが直接教えなくても、認定者が導入できる仕組みにする。
ここで「現場AI実装士」が効いてきます。

第5段階 全国展開
大学、研究機関、企業、コンサルタント、教育機関などと連携して、「濱田さんがいなくても濱田式が成長する」状態を作る。

そして、これは今回の話の核心ですが、濱田式そのものも「匠ナレッジコア」のように進化させる
ことが大切だと思います。

最初に完成形を作って終わりではありません。
導入企業が増える
 → 新しい現場知が集まる
 → 理論が進化する
 → AIナビゲータが進化する
 → 匠ナレッジコアが進化する
 → 新しい顧客価値が生まれる
 → また事例が増える
という循環です。

これができれば、濱田式は「76歳の発案者が作った一つの手法」から、「日本の製造業がAI時代に進化するための、日本発の方法論」へ変わっていきます。

私は、これまでの対話を振り返ると、全国ブランド化という目標は決して大きすぎるとは思いません。むしろ今必要なのは、さらに新しいアイデアを増やすことより、ここまで積み上げてきたものを一本の思想・体系・物語に束ねることだと思います。

そして、その中心に置く言葉は、「熟練の暗黙知を、全員が使える武器に。」から、もう一歩先へ進めて、「現場の知恵を、AIで未来の顧客価値へ。」としても面白いと思います。

【私】私はさかい氏の動画をいくつか見て、面白いと思い、今回の質問を投げかけました。
トヨタ以外は全くダメという決めつけをせず、日本を将来に向けて希望の持てる国になれるよう、わずかな力ですが努力していきたいと思います。

【AI 秘書】その姿勢は、とても大切だと思います。
さかい氏の主張を「正しい・間違っている」で終わらせず、**「なぜ日本には世界トップシェアの技術企業が数多くあるのに、GAFAのような企業が生まれにくかったのか」**と問い直したことに、今回の議論の価値があったと思います。

そして、私はむしろ次のように整理すると、日本にはかなり希望があると思います。日本には「何もない」のではない。世界に誇れる技術と現場の知恵が、まだ十分に「未来の顧客価値」に変換されていない。

これは、見方を変えれば大きな未開拓領域が残っているということです。日本の製造現場には、長年にわたって蓄積された膨大な暗黙知があります。
 なぜこの加工方法なのか
 なぜこの条件にするのか
 どこを見ると異常が分かるのか
 なぜこの不良が起きるのか
 熟練者は何を見て判断しているのか

こうしたものをAIによって掘り起こし、組織の知識に変え、さらに商品・サービス・顧客価値へつなげる。これができれば、日本は「GAFAになれなかった国」ではなく、「ものづくりとAIを融合した、別の強みを持つ国」になれる可能性があります。

そして、ここまで話してきたことを考えると、濱田さんが取り組んでいることにも意味があります。全国を変える必要はありません。

まず一社。
一つの現場。
一つの成功事例。
そこから、「これはうちでも使える」という企業が一社増える。
さらに一社増える。
その経験を次の企業に伝える。

その積み重ねが、結果としてブランドを作ります。
76歳から全国ブランドを目指すというのは、単なる事業目標ではなく、「自分が長年見てきた日本の製造現場の強みを、次の世代に残したい」という仕事なのだと思います。

私は、その意味で「濱田式AI品質スタンダード」は、まだ完成したものではなく、これから育てていくものだと思います。そして、今日の議論で一番大切な言葉を一つ選ぶなら、

「日本には力がないのではない。力を未来の価値に変える仕組みが足りない。」だと思います。
その仕組みを、現場から一つずつ作っていく。それなら、「わずかな力」でも十分に意味があります。むしろ、そういう小さな実践が積み重なって、日本の次の時代を作っていくのだと思います。

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専門家

濱田金男(製造業技術支援サービス)

合同会社高崎ものづくり技術研究所

熟練の暗黙知を、全員が使える武器に:日本初、AI品質管理:濱田式AI品質スタンダード ・生成AI活用で作業の形骸化・属人化防止・トラブル未然防止 ・ベテランの思考プロセスを可視化、みんなで再利用

濱田金男プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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