「まだ大丈夫」は、私も言っている!?
以前、義母の手すりについて二度コラムを書きました。
最初は、
「私はそんな歳になっちゃったんかねぇ。」
「まだ必要ないんですけどね。」
と、手すりを付けることに抵抗がありました。
そこで、いきなり住宅改修をするのではなく、まずはレンタルで試してみることにしました。
使ってみると、
「便利だよ。毎回つかまっちゃう。」
そんな言葉が返ってきて、住宅改修で取り付けることを考えるようになりました。
そして先日、ケアマネジャーさんと福祉用具の担当者さんに来ていただき、住宅改修の見積もりをお願いしました。
市の補助金を利用しながら、どこに手すりを付けるのが一番良いのか。
優先順位を考え、工事内容を決めていきました。
その後、今レンタルしている玄関内の手すりの位置を調整するため、みんなで玄関へ移動しました。
すると、いつもの親子げんかが始まります。
「ステップを使えばいいんだよ。」
そう言う息子。
「使う時と使わない時、半分半分かな。」
と答える義母。
お互い譲らず、平行線です。
そんな空気を変えたのは、ケアマネジャーさんの一言でした。
「こう使うと安全ですよ。そうしましょうよ、お母さん。」
すると義母は、
「そうだね。そうするか。」
と、すんなり受け入れたのです。
そして、お二人が帰られたあと。
義母は一人で、
「こうやって上って、こうやって下りる。」
とつぶやきながら、何度も手すりを使う練習をしていました。
その姿を見た時、私は驚きました。
あれほど
「まだ必要ない。」
と話していた義母が、自分から使おうとしていたからです。
人は、誰かに説得されたから変わるのではなく、自分で納得した時に変わるのかもしれません。
その姿を見ながら、ふと、お客様の言葉を思い出しました。
「捨てなきゃなのは、わかってるんです。」
「でも、小曽根さんは『捨てろ』って言わないから好き。」
実家片付けや生前整理も同じです。
周りがどれだけ「片付けた方がいい」と思っていても、ご本人が納得していなければ前には進めません。
だから私は、無理に背中を押すことはしません。
その方が「手放してもいいかな」と思える日まで、一緒に考えながら待ちたいと思っています。
急がせるのではなく、寄り添うこと。
その積み重ねが、「やってみようかな」という気持ちにつながるのだと思います。
義母の手すりを見ながら、改めてそんなことを感じた一日でした。


