通訳のお仕事の種類①アテンド通訳
Buonasera! なんと本日3本目のコラムです!
イタリアに滞在中もPC持参で仕事をしています。
5月の大きな案件(http://mbp-japan.com/gunma/astts/column/495/)を終えた後、
お蔭様でインドのお客様から法人契約をいただきました。
そのため、朝から観光の予定が入っていない平日は、日本時間に合わせてイタリア時間の早朝に
数時間、Skypeにて逐次通訳のお仕事をしています。
また、他のお客様から急ぎではない翻訳の案件もいただいておりますので、
夕食後の数時間はそちらの仕事もしています。
さて、今回は逐次(ちくじ)通訳という種類を紹介したいと思います。
スピーカーのお話を段落ごとに訳す、あるいはスピーカーが話し終わってから訳す作業です。
よく、ハリウッドスターが来日した時に、彼らの後ろに通訳者が通訳していますよね。
あれが逐次通訳という種類になります。
私は独学&現場叩き上げの逐次通訳者なので、本格的な訓練を受けたことはありません。
過去に数回、通訳の専門学校やJATという日本翻訳者協会が主催するセミナーに参加しました。
そこではメモの取り方を勉強しました。
実はこのメモが曲者でして…私はいつもメモを取らないのです。
独学で勉強していた時も、あれやこれやとメモの取り方を研究したのですが、
これまでメモを取って来なかったので、メモを取ることばかりに集中して、
肝心のスピーカーの話をきちんと聞けないのです。
よって、私は本来の自分のスタイルでやっていこうと決めました。
1. スピーカーに2~3行ずつ細切れに話してもらうようにお願いすること。
事前にスピーカーの原稿をいただけないことが私の場合は多いので、これはお願いしやすいです。
また、スピーカーから先に「原稿ないから細切れで話すね」と言っていただける場合もあります。
2. 時たまスピーカーが暴走し始めた時は、即座に同時通訳に近い形の逐次通訳をすること。
これは会議の逐次通訳の場合も同じです。2社のお話を交互に通訳します。
私のスタイルはかなり特殊なので、これから通訳の勉強をしたいとお考えの方にはオススメできません。
きちんと専門学校に通って訓練を受けた方がいいと思います。
メモの取り方を学べば、もうほぼ通訳の90%は完了したと言ってもいいのではないかと思います。
残り10%は聞き取った英語なり日本語なりをペア言語に訳すだけです。
ただ、やはり英語にしても日本語にしても、知らない単語は聞こえない、とっさに出てこないという時があります。
事前にどんなに資料をいただいて勉強しても、現場では上のような状況になる場合があります。
それを1度でも経験し恐怖を味わうと、日々の勉強の大切さを痛感します。
このように、通訳者は特殊な訓練と語学力と日々の勉強の積み重ねが必須です。
通訳料金にはこれらの作業代金がすべて含まれています。
ですので「通訳料金が高い!」とおっしゃる前に、通訳というのはどういう仕事かをご理解いただけると嬉しいです。