コーヒーは益か害かに結論?
コーヒー飲用で寿命延長?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘コーヒー飲用で寿命延長?’という報告です。
コーヒーにはさまざまな健康効果が報告されているが、1日に何杯飲むべきなのかという問いに、いまだ答えは得られていない。今回、新たな研究で、コーヒーの摂取量が多い人は早期死亡リスクが低下し、この効果は1日8杯以上のコーヒーを飲む人でも認められることが分かった。また、こうしたコーヒー摂取による寿命の延長効果は、カフェインの有無にかかわらず認められたという。
この研究は、米国立がん研究所(NCI)の研究者らが行ったもの。同氏らは、英国の地域住民を対象とした大規模研究である英国バイオバンクに参加した成人49万8,134人を対象に、2006年から2016年まで追跡してコーヒーの摂取量と死亡率との関連を調べた。なお、対象者の78%にはコーヒーを飲む習慣があった。
解析の結果、コーヒーの摂取量が多いと全死亡リスクは低下することが分かった。コーヒーを全く飲まない人に比べて、1日8杯以上飲む人は、追跡期間中に死亡するリスクが14%低く、1日6~7杯飲む人はリスクが16%低かった。一方で、1日1杯以下の人では全死亡リスクの低下は6~8%にとどまっていた。また、コーヒーの摂取による寿命の延長効果は、レギュラーコーヒーやインスタントコーヒーだけでなく、カフェインレスコーヒーでも同様に認められた。さらに、カフェインの代謝に関係する遺伝子多型の違い(カフェインの分解が遅いため多くは飲めない人、あるいは代謝が速く多く飲める人)で効果に差はみられなかった。このことから、同氏は「コーヒーにはカリウムや葉酸をはじめ、身体に影響を及ぼす化学物質が1,000種類以上含まれている。今回示されたコーヒー摂取による早期死亡の抑制効果は、カフェイン以外の成分によるものである可能性が高い」と説明している。
米ニューヨーク大学の別の研究者は「コーヒー豆にはポリフェノールが豊富に含まれている。ポリフェノールには抗酸化作用や抗炎症作用、抗がん作用があるほか、血圧や血糖値を下げることが知られている」と指摘している。また、同氏によれば、野菜や果物、豆類などが豊富な食事を取る人は、がんや肥満、糖尿病、認知症、心疾患、うつ病などの慢性疾患になるリスクが低いことが分かっているという。
最近ではコーヒーの効用が様々言われていますが、今回の50万人あまりの大規模研究からの結果はなかなかインパクトが強いと考えられます。まあ、過ぎたるは及ばざるが如しでしょうから多く飲めばいいという事はないでしょうが、少なくとも幾らかなりともコーヒーが寿命延長に効果があるのは間違いなさそうです!