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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

座り過ぎには十分に注意?

2018年7月19日

テーマ:医療マメ知識

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 糖尿病 食事糖尿病 症状糖尿病 予防

座り過ぎには十分に注意?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘座り過ぎには十分に注意?’という報告です。

 普段の生活の中で、座って過ごす時間が1日当たり6時間以上の人では、3時間未満の人と比べて早期死亡リスクが19%高いことを示した研究結果が発表された。近年、座って過ごす時間が長いと死亡リスクが高まるとする報告が相次いでいる。しかし、死因別では、がんや心血管疾患以外の死因を幅広く検討した研究はほとんど行われていなかった。そこで、同研究者らは今回、がん予防研究データを用いて、余暇を座って過ごす時間の長さと全死亡リスク、さらにさまざまな死因別の死亡リスクとの関連について検討した。

 年齢や性、学歴、喫煙の有無、食生活、運動習慣などを考慮して解析した結果、余暇を座って過ごす時間が1日に6時間以上の人では、3時間未満の人と比べて全死亡リスクが19%高いことが分かった。また、死因別では、がん、心疾患、脳卒中、糖尿病、腎疾患、自殺、慢性閉塞性肺疾患、肺疾患、肝疾患、消化性潰瘍などの消化器疾患、パーキンソン病、アルツハイマー病、神経障害、筋骨格系障害の14の死因による死亡リスクが上昇することが明らかになった。さらに、死亡リスクの上昇の程度は死因によってばらつきがみられ、がんでは約10%の上昇だったが、筋骨格系障害では約60%の上昇が認められた。

 以上の結果を踏まえ、同氏は「この研究結果のメッセージは“もっと動くべき”といういたってシンプルなものだ。座位時間は短いほど身体に良い。1時間座って過ごしたら2分間立つだけでも脂質や血糖、血圧の値は改善する」と話している。同氏によれば、座位時間が長いと健康に悪影響を与える原因は明らかではないが、ソファで長時間過ごす人は間食が多いといった他の不健康な習慣がある可能性が考えられるという。

 今回の報告を受け、別の専門家は「この研究から、長時間座り続けることによる早期死亡リスクの上昇には、心疾患から自殺までさまざまな要因が関与している可能性が示された。これらの関連はさらに研究を進める必要があるが、その対処法は明確で、今すぐにでも取り組める簡単なことだ。つまり、1日に何度も立ち上がって歩き回ることだ」とコメントしている。

 日頃からデスクワークが多い方々は上記を踏まえて1時間に1-2分でも立って体を動かすことが大事な様です。

18.7.17 夕焼け

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