糖尿病患者では軽度な運動でも血糖値改善?
糖尿病の食事療法について!
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘糖尿病の食事療法について!’というお話です。
糖尿病の食事療法の目的は、健常者と同様の日常生活を営むのに必要な栄養素を摂取しながら、代謝異常を是正し、合併症の発症や疾患の進展を抑制することにあります。食事療法を適切に行うと、インスリン作用不足が緩和される他、食後高血糖が改善し、肥満、血圧、脂質の改善にもつながります。
食事の指導はまず、3食きちんと食べることから始めます。欠食により、次の食事で血糖が上がりやすくなるからです。また、夕食は軽めにし、寝る前には食べないことが重要です。たとえ眠っている真夜中でも、肝臓がブドウ糖産生を適切にコントロールするためにはインスリンが必要となるため、食べてすぐ寝てしまうと翌朝の血糖値が上がってしまいます。糖尿病患者はインスリンの働きが悪く、正常な人は、朝食前の血糖値は109mg/dL以下ですが、糖尿病患者はたとえば160mg/dLくらいまで上がるケースもあります。そのため、糖尿病の患者だけでなく、予備群の人に対しても、「夕食はなるべく早い時間に食べるようにしましょう」「寝る前3時間は食べるのをやめましょう」と説明します。
また、食事は、忙しくても20分かけてゆっくり食べるのも重要です。ゆっくりよくかむことで、わずかに上昇した血糖値が満腹中枢を刺激したり、そしゃくしたという情報が脳内ヒスタミンやセロトニンの神経系を活性化したりするため、満腹中枢が満足するからです。忙しい際も、仕事の合間に5分程度で食事をしてしまうのは避ける必要があります。
*岩岡秀明先生(船橋市立医療センター代謝内科部長)の医療コラムを抜粋し、一部改変
糖尿病治療においてまず重要なのが食事療法です。上述のことに注意し、食べ過ぎにはくれぐれも注意が必要ですし、特に夕食への配慮が必要と思われます。