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コラム
糖尿病の発症・悪化時には膵がんに注意?
2017年4月10日
糖尿病の発症・悪化時には膵がんに注意?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「糖尿病の発症・悪化時には膵がんに注意?」という報告です。
2型糖尿病の発症や悪化は、膵臓がんの初期の徴候である可能性が、新しい研究で示唆された。
イタリアおよびベルギーにおける100万人近くの2型糖尿病患者または膵臓がん患者のデータを解析した結果、膵臓がん患者の約半数は、糖尿病の診断から1年以内に膵臓がんと診断されていたことがわかった。また、症状が急激に悪化し、より積極的な治療が必要になった2型糖尿病患者でも膵臓がんリスクが上昇することも判明した。
この知見は欧州癌学会議(ECCO 2017)で発表された。ただし、この研究は、2型糖尿病と膵臓がんの因果関係を証明するものではなく、また、学会発表された知見は、査読を受けて専門誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。研究著者であるフランス国際予防研究所の研究者は、「医師や糖尿病患者は、糖尿病の発症や経過中の急激な悪化が、隠れた膵臓がんの徴候でありうることを知るべきだ。こうした場合には膵臓がんを調べる必要がある」と指摘している。また、同氏は、徴候や症状のない段階の膵臓がんを検出する非侵襲で優れた検査法はいまだ確立されておらず、「今回の結果は、膵臓がんの腫瘍マーカーを探索する研究が必要であることを示している」と述べている。
膵臓がんは致死率の高いがんの1つで、早期発見が難しく、有効な治療法がほとんどない。診断後の10年生存率は1%に満たず、2012年には、世界中で33万8,000人が膵臓がんと診断され、33万人が死亡したとされる。ECCO会長で、ヨーテボリ大学の別の研究者も、膵臓がんの早期発見はごく少数の患者に限られることから、より精度の高い検出法の確立が求められるとしている。近年では、膵臓がんの腫瘍マーカーの探索に進展がみられており、「腫瘍マーカーと併存疾患である2型糖尿病の有無を組み合わせた新しい診断法の可能性が考えられる」と述べている。
この事実は以前から言われていたことで私自身も元々、糖尿病で診ていた患者さんで然したる理由がないにもか関わらず、糖尿病のコントロールが急激に悪化し、別の検査の結果で膵がんが判明したという方がおられました。つい先日も同じ様なエピソードの患者さんがおられたので腹部超音波検査やCT検査なども行いましたが、幸い膵がんの発見には至りませんでした。元来、糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの分泌低下やインスリン抵抗性と言われるインスリンが効きにくい状態で起こると言われていますが、膵がん全てでインスリンの分泌低下が起こるわけではありませんが、常に注意は必要かも?知れません!
こちら福島でも漸く、早咲きの桜が咲き出しました!
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