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先発品からオーソライズドジェネリック医薬品への切り替えは有用?

佐藤浩明

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テーマ:医療環境

先発品からオーソライズドジェネリック医薬品への切り替えは有用

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘先発品からオーソライズドジェネリック医薬品への切り替えは有用?’という報告です。

 先発医薬品からオーソライズド・ジェネリック医薬品へ切り替えた患者は、先発医薬品からジェネリック医薬品への切り替え例に比べ、先発医薬品への再切り替えの割合が低いことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院の研究者らの調査で明らかとなった。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と有効成分は同じだが、外観や賦形剤が異なる後発薬であり、オーソライズド・ジェネリック医薬品は、先発医薬品を開発した製薬企業が製造したジェネリック医薬品であるため、両者は有効成分、外観、賦形剤が同じである。先発医薬品とジェネリック医薬品の外観、賦形剤の違いは、ジェネリック医薬品への否定的な見方に寄与する可能性があり、先発医薬品への逆戻りは医療費の増大を招くという。

 研究グループは、先発医薬品から、オーソライズド・ジェネリック医薬品に変更した患者またはジェネリック医薬品に変更した患者が、再び先発医薬品に変更する割合を比較する研究を行った。8つの試験薬のうち1つの先発医薬品投与を受け、ジェネリック医薬品の上市以降にオーソライズド・ジェネリック医薬品またはジェネリック医薬品に切り替えた患者を同定した。これらの患者を追跡し、先発医薬品への再切り替え状況を評価した。先発医薬品から、9万4,909例がオーソライズド・ジェネリック医薬品に、11万6,017例がジェネリック医薬品に切り替えていた。

 再切り替え発生率は、先発医薬品からオーソライズド・ジェネリック医薬品に切り替えた患者が、ジェネリック医薬品への切り替え例に比べ28%低かった。著者は、「先発医薬品への逆戻りを防ぐには、患者-医療者間のコミュニケーションを改善する介入を行って、質、安全性、有効性に関する先発医薬品とジェネリック医薬品の同等性の認知度を上げることが、きわめて重要と考えられる」とし、「先発医薬品とジェネリック医薬品の外観を一致させることも、先発医薬品への逆戻りを防ぐ手立てとなる可能性がある」と指摘している。

 日本においても医療費削減の方策として近年盛んにジェネリック医薬品の使用が推進されています。しかし、上記の報告にもある様にジェネリック医薬品は先発医薬品と主成分は同じですが、同じ薬ではありません。それに対してオーソライズドジェネリックは先発医薬品とそっくり同じ医薬品ですので薬効も同じです。ただ、日本においてはオーソライズドジェネリック医薬品の認知度は極めて低く、薬局でもジェネリック医薬品への変更は推進していますが、敢えてオーソライズドジェネリックへの変更を勧めているとは思えません。

 今後、日本でもジェネリック一辺倒ではなくオーソライズドジェネリック医薬品への移行を真剣に考える時期に来ているのかも知れませんし、当クリニックでも4月からは積極的にオーソライズドジェネリック医薬品の使用を行う様にしました!

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佐藤浩明
専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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