AIで生活習慣病の発症予測可能に?
米国で増加している感染症は?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は’米国で増加している感染症は?’という報告です。
1980~2014年の米国における感染症死亡の動向を調べた結果、ほとんどの感染症疾患で死亡は減少していたが、郡レベルでみるとかなりの格差があった。さらに同期間中に下痢症の死亡は増大していたという。米国・ワシントン大学の研究者による調査報告で発表された。感染症はほとんどが予防可能だが、米国ではいまだに公衆衛生上の脅威とみなされている。そうした中でこれまで、郡レベルの感染症死亡の推定値は把握されていなかった。
研究グループは、1980~2014年の下気道感染症、下痢症、HIV/AIDS、髄膜炎、肝炎、結核による年齢標準化死亡率と郡レベルの動向を、全米保健医療統計センター(NCHS)、国勢調査局(US Census Bureau)などのデータを用いて推定した。1980~2014年に米国で記録された感染症死亡は、408万1,546例であった。2014年の感染症死亡は11万3,650例で、死亡率は10万人当たり34.10であったのに対し、1980年はそれぞれ7万2,220例、41.95であり、全体では18.73%減少していた。2014年の感染症死亡の主因は下気道感染症で(全感染症死亡数の78.80%)、死亡率は10万人当たり26.87であった。
すべての感染症による死亡率について、郡間にかなりの差があった。絶対死亡率の郡間のばらつきが最も大きかったのは下気道感染症で、死亡率の相対比が最も高かったのはHIV/AIDSで、10.0であった。髄膜炎、結核の死亡率は、対象期間中すべての郡で低下していた。しかしながら唯一、下痢症による死亡率だけは、2000~14年にかけて上昇していた。死亡率は10万人当たり2.41に達しており、高死亡率の郡の大部分は、ミズーリ州から米国北東部の地域にわたっていた。
日本ではあまり考えられませんが、米国ではまだまだ下痢症での死亡率が増加しているというのは少し驚きでした。それだけ米国では地域差や貧富の格差などが先日もご報告した医療費の高さとも関連して大きいということかも?知れません。