電子タバコによる禁煙効果は否定的?
1日1本の喫煙で心血管疾患リスク増大?
おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は’1日1本の喫煙でも心血管疾患リスク増大?’という報告です。
1日1本であっても、喫煙は冠動脈疾患および脳卒中の発症リスクを予想以上に増大させ、心血管疾患の発症に害のない安全な喫煙レベルは存在せず、リスク低減には減煙では不十分であることが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究者らが実施した141件のメタ解析で示された。喫煙者の多くはタバコの本数を減らすことで関連疾患の発症リスクを低減できると考えているが、これまでにも冠動脈疾患のリスクは軽度の喫煙(1日5本未満)でも予想以上に高いことが報告されている。
リスク低減には、減煙でなく禁煙を
男性の冠動脈疾患の相対リスクは、すべての試験では非喫煙者との比較で喫煙本数1日1本が1.48、1日20本は2.04であったが、複数の交絡因子で調整した試験に限定すると、それぞれ1.74、2.27といずれも増加した。女性の相対リスクは、全試験では1日1本が1.57、20本は2.84であったのに対し、交絡因子調整済み試験ではそれぞれ2.19、3.95であった。冠動脈疾患の、喫煙本数1日20本に対する1日1本の過剰相対リスクは、男性が46%、女性は31%であった。これは、男性における1日1本の冠動脈疾患リスクは、1日20本の約半分、女性は約3分の1であることを意味する。
脳卒中については、男性の相対リスクは1日1本が1.25、20本は1.64であり、調整済み相対リスクはそれぞれ1.30、1.56であった。また、女性の相対リスクはそれぞれ1.31、2.16で、調整済み相対リスクは1.46、2.42であった。脳卒中の、喫煙本数1日20本に対する1日1本の過剰相対リスクは、男性が41%、女性は34%だった。相対リスクは、全般的に男性に比べ女性のほうが高かった。
本著者は、「男性では、1日1本の喫煙により、非喫煙者に比べ冠動脈疾患のリスクが48%、脳卒中のリスクは25%増加し、女性ではそれぞれ57%、31%増加した」とまとめ、「喫煙者は、これら2つの一般的な主要疾患のリスクを統計学的に有意に低減させるには、喫煙本数を減らすのではなく、喫煙を止めるべきである」と指摘している。
よく喫煙なされている方は本数は少ないのですがと仰りますが、本報告で判明した様に本数が少なければ心血管疾患リスクは少ない様ですが、1日1本でもその危険性はかなり高い様ですからやはり節煙ではなく禁煙しないと根本的な解決にはならない様です。