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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

たばこ1本でも肺がんの危険9倍?

2016年12月24日

テーマ:たばこの害

コラムカテゴリ:医療・病院

たばこ1本でも肺がんの危険9倍?

おはようございます。さとうクリニックの佐藤です。今朝は「たばこ1本でも肺がん危険9倍?」という報告です。
米国では10本/日未満の喫煙者が増加しているが、生涯にわたる1日数本程度の喫煙による健康への影響は、ヘビースモーキングによる影響に比べてよくわかっていない。米国国立がん研究所の研究者らは、1本/日未満もしくは1~10本/日での長期喫煙と全死因死亡率・原因別死亡率との関連について、非喫煙と比較し評価した。その結果、1本/日未満や1~10本/日での長期喫煙者は非喫煙者より死亡リスクが高いこと、禁煙によるベネフィットがある可能性が示された。このことから、タバコの煙への曝露には安全というレベルはないことが示唆される。
 本研究は、米国国立衛生研究所の研究で、2004~05年(ベースライン)に59~82歳であった29万人超による研究である。それまでの喫煙歴を調べるアンケートとともにデータを収集し、2011年末までの全死因死亡率と原因別死亡率について危険率を算出した。2004~05年のアンケートにより、9つの年齢期(15歳未満~70歳以上)での現在および過去の喫煙強度を評価した。
 主な結果は以下のとおり。
・全死因死亡リスクは、非喫煙者に比べて、1本/日未満(危険率1.64倍)と1~10 本/日(危険率1.87倍)の現喫煙者で高かった。
・全死因死亡率における関連性は男女で同様であり、また、喫煙に関連する死亡原因、とくに「肺がん」と強い関連が認められた(1本/日未満で危険率9.12倍、1~10本/日で危険率11.61倍)。
・1本/日未満もしくは1~10本/日を吸っていた元喫煙者のリスクは、禁煙時の年齢が若いほど低かった。たとえば、50歳以上で禁煙した1本/日未満および1~10本/日の喫煙者の危険率はそれぞれ、1.44倍と1.42倍であった。
最近は電子たばこの問題も頻繁に取り上げられるようにはなって来てはいますが...本数が少なければ良いという問題ではないようですね!      
     16.12.23 ミッドタウンイルミ
 昨晩の東京ミッドタウンのイルミネーション。青色LEDがとても綺麗でしたが、人も多く本当の押しくら饅頭状態でした(笑)

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