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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

友人が多いと糖尿病になりにくい?

2018年1月25日 公開 / 2018年1月29日更新

テーマ:糖尿病関連の報告

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 糖尿病 食事糖尿病 症状糖尿病 予防

友人が多いと糖尿病になりにくい?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は’友人が多いと糖尿病になりにくい?’という報告です。

 中高年から高齢になると社会的に孤立している人よりも、付き合いのある友人が多い人ほど2型糖尿病になりにくい可能性があることが、オランダで行われた新たな研究で報告された。同研究者らは、社会的なネットワークを広げて孤立を防ぐことは、2型糖尿病の予防策の一つになると強調している。

 この研究は、オランダに在住する40~75歳の男女を対象とした観察研究に参加した2,861人のデータを解析したもので、交友関係の広さや社会的な交流への参加頻度と糖尿病リスクとの関係を調べた。参加者の平均年齢は60歳、56.7%は血糖値が正常で、15.0%は糖尿病前症、28.3%は2型糖尿病患者であった。

 解析の結果、付き合いのある知り合いが多い方が、少ない人よりも2型糖尿病の発症リスクが低かった。こうした知り合いが一人減るごとに、男女で糖尿病リスクは5~12%高まっていた。また、男性では一人暮らしをする人で糖尿病リスクが94%高まっていた。

 研究を主導したマーストリヒト大学の研究者は「社会的ネットワークはその範囲が広いほど、個人のライフスタイルに重要な影響を与えるようになる。ネットワークが広いということは、必要な時に社会的支援を受けやすく、自宅の外に出る機会が多いことを意味する。こうした活動は健康的な食習慣や運動習慣を促し、ライフスタイルに改善をもたらす」と述べており、社会的なネットワークを広げることは運動不足や肥満を主たる原因とする2型糖尿病を予防するのに重要なステップになると強調している。

 また、一人暮らしの男性で2型糖尿病リスクが高かった理由について、同大学の別の研究者は「男性は一人になると、女性よりも自分自身の事に無頓着になり、新鮮な野菜や果物を食べなくなったり、運動をしなくなるなど不健康な生活習慣に陥りやすくなると考えられる」と指摘する。そのため、2型糖尿病のリスクが高い人には、新しい友人を作って交流したり、ボランティアや趣味の集まりに積極的に参加することが勧められるとしている。

 友人は別な意味でも大事な様ですね!

18.1.25 つらら

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佐藤浩明

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