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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

食肉過剰摂取で糖尿病患者は心疾患のリスク?

2017年12月18日

テーマ:糖尿病関連の報告

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 糖尿病 食事糖尿病 症状糖尿病 予防

食肉過剰摂取で糖尿病患者は心疾患のリスク?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘食肉過剰摂取で糖尿病患者は心疾患のリスク?’という報告です。
健康成人における心血管疾患の主な原因として食肉の過剰摂取が研究されているが、アジア人の糖尿病患者における研究はわずかである。
今回、The Japan Diabetes Complications Study(JDCS)グループが日本人2型糖尿病患者で調査したところ、食肉の高摂取が冠動脈疾患(CHD)発症率上昇に関連することがわかった。 
本研究は、全国研究の一環として、HbA1c 6.5%以上の40~70歳の日本人2型糖尿病患者における食肉摂取量と心血管疾患発症の関連を調査した。ベースラインでの食事調査の回答者は1,353人で、食品群に基づく食事摂取頻度調査票で評価した。主要アウトカムは、冠動脈疾患および脳卒中を含む心血管疾患イベントの8年間のリスクであった。食肉摂取量について、年齢、性別、体格指数(BMI)、HbA1c、喫煙、エネルギー摂取量、その他の交絡因子で調整された危険率を推定した。
 主な結果は以下のとおり。
・平均食肉摂取量の四分位範囲は、9.9~97.7g/日であった。
・交絡因子の調整後、第2、第3、第4四分位の冠動脈疾患の危険率は、第1四分位と比較して、それぞれ2.84倍、3.02倍、2.99倍であった。
・食肉摂取量に応じた2群において、20g/日以上の食肉を摂取する患者は、20g/日未満の患者よりも冠動脈疾患リスクが2.94倍高かった。
・脳卒中と食肉摂取との関連は認められなかった。
元来、日本人はあまり肉は食べない民族だったはずですが、戦後の高度経済成長のおかげ?で肉を中心とした脂肪分の摂取の増加により糖尿病をはじめとした生活習慣病が増えてきたのはまぎれも無い事実の様です。特に糖尿病はその中でもある意味、典型的な疾患でもありますから...食肉摂取も必要かとは思いますが、取りすぎには十分な注意が必要なようです!

17.12.17 汐留

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