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市販の認知症薬の効果は?

佐藤浩明

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テーマ:薬剤の有効性

市販の認知症薬の効果は?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は‘市販の認知症薬の効果は?’という報告です。
 日本医師会は2017年11月8日の会見で、厚生労働省が10月31日に連絡した「オンジ製剤の広告等における取り扱い」に触れ、同製剤は認知症の予防や治療に用いるものではないことを改めて強調した。
 オンジ(遠志)は単味生薬の1つで、人参養栄湯や帰脾湯などに含まれる。2015年12月に厚労省は「生薬のエキス製剤の製造販売承認申請に係るガイダンスについて」を発出し、オンジ単味製剤の効能効果を「中年期以降の物忘れ」とした。
 このガイダンスを受け、各製薬会社はオンジ製剤を「物忘れ改善薬」として次々と発売。クラシエ製薬の「アレデル顆粒」、小林製薬の「ワスノン」、ロート製薬の「キオグッド顆粒」などだ。こうした薬の広告を見て、患者が医師に「この薬を飲めば認知症が治るのか」と尋ねるなど、混乱が生じていたという。
 この状況を受け、厚労省は10月31日に事務連絡を発出。主に以下の項目について注意喚起した。
(1)オンジ製剤の効能効果は「中年期以降の物忘れ」で、認知症の予防や治療に関する効果は認められていない
(2)「脳機能の活性化」、「脳神経細胞の増加や再生」、「脳全体が活性化する」、「既に忘れてしまった記憶をよみがえらせる」など、効能効果が承認された範囲を超えると暗示させる広告表現は、厳に慎む
(3)認知症の治療または予防に用いる医薬品ではない旨の記載または標榜を必ず行う
 日医副会長は11月8日の会見で、厚労省の事務連絡の概要を説明し、特に(3)の項目が重要と指摘。しかし「厚労省の指導後も、各社のホームページなどを見ると、懸念される表現が残っている」とし、引き続き状況を注視するとともに、改善の必要があれば適宜、厚労省に指導を求める姿勢を明らかにした。サプリメントなど他の製品についても、「現場で同様の混乱があれば、日医として関係当局に進言する」と話した。
 以前も何度かこのブログ等でも取り上げたかも?知れませんが、コマーシャルでいかにも疾患に効く様に宣伝しているサプリメント等の商品の有効性が本当に実証されているものはかなり少ないと思われます。予防効果等は若干あるかも?知れませんが、少なくとも治療効果には甚だ疑問符が付くものと考えていた方が良さそうです。

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専門家

佐藤浩明(内科医)

さとうクリニック内科・消化器科

患者さんに寄り添う医療体制で、「経鼻内視鏡検査」に取り組み、内科・消化器疾患の徹底した検査と治療を行います。信条の「人と、地域と向き合う医療」という姿勢を守り、より高い専門性をもって地域に貢献します。

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