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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

後発医薬品の処方、品質への不安も?

2017年3月13日

テーマ:薬剤の有効性

コラムカテゴリ:医療・病院

後発医薬品の処方、品質への不安も?

  おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「後発医薬品の処方、品質への不安も?」という報告です。
 昨年度(2016年度)の診療報酬改定で後発医薬品の使用促進策が実施された。厚生労働省は、中央社会保険医療協議会(中医協)において、保険薬局や医療機関における後発医薬品の処方状況、医師、薬剤師、患者の後発医薬品に対する意識を調べるため昨年10月に実施した「後発医薬品の使用促進策の影響及び実施状況調査」の結果を発表した。後発医薬品の処方は増加しているが、医療者も患者も後発医薬品の効果や副作用を含む品質に対して不安を持っている現状が示唆された。
 保険薬局に対する調査では、1週間の取り扱い処方箋に記載された医薬品のうち、一般名で処方された医薬品の割合は31.1%で2015年の前回調査(24.8%)より増加していた。後発医薬品の調剤に関する考え方として「全般的に積極的に取り組んでいる」と回答した保険薬局は70.6%で前回調査の65.9%より増加。積極的に調剤しない理由として「患者が先発医薬品を希望するから」が59.2%と最も多く、次いで「後発医薬品の品質(効果や副作用を含む)に疑問がある」(32.8%)などであった。
  昨年4月以降、先発医薬品の銘柄を指定して「変更不可」欄にチェックした経験のある医師では、「変更不可」としたケースとしては「先発医薬品から後発医薬品への変更を不可することが多い」が最も多く(診療所74.7%、病院75.1%)、「変更不可」にする理由は「患者からの希望があるから」が最も多く(65.6%、66.9%)、次いで「品質(効果や副作用を含む)に疑問があるから」(53.2%、42.5%)であった。
 医療費の自己負担額があった患者における後発医薬品の使用意向については、「少しでも安くなるのであれば使用したい」が45.6%で最も多かった一方、「いくら安くなっても使用したくない」は12.0%であった。「いくら安くなっても使用したくない」と回答した患者に理由を聞いたところ、「後発医薬品の効き目や副作用に不安があるから」が72.6%と最も多く、次いで「使い慣れたものがいいから」(37.2%)であった。
 さらに、「後発医薬品の効き目や副作用に不安があるから」と回答した患者に、その理由について聞いたところ、「効き目が悪くなったことがある」が29.3%と最も多く、次いで「副作用が出たことがあるから」(12.2%)であった。
 調剤薬局の答えで後発医薬品の処方理由で「患者さんが希望するから」がトップになっていますが、実状は違うのでは?と私は考えています。というのも昨年度から我々が処方する際に後発医薬品への変更不可と処方箋に記載する際にはその明確な理由まで記載するようになり、そのため当クリニックでも変更不可の記載は止めることとしました。そうしたら事後報告で私に確認無しに勝手に後発医薬品に変更する調剤薬局が頻発しました。
 実際問題として我々医師には調剤権があり、本来薬剤師が勝手に処方薬剤を変更してはダメなはずなのですが、彼らも厚労省からのノルマなどもあり、変更した方がメリットが大きいため上記の様な状況になるものと考えます。調剤薬局で後発医薬品へ変更することを勧められた際には処方した医師へ確認しているかどうかを聞いてみては如何でしょうか?

17.3.12 夕陽
 昨日の夕陽。かなり綺麗な夕陽が観られました!

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佐藤浩明

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