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佐藤浩明

消化器内科専門医で「内視鏡検査」のプロ

佐藤浩明(さとうひろあき) / 内科医

さとうクリニック内科・消化器科

コラム

コンドロイチン・グルコサミンは膝関節症に有効?

2017年2月7日

テーマ:薬剤の有効性

コラムカテゴリ:医療・病院

コンドロイチン・グルコサミンは膝関節症に有効?

おはようございます。福島市 さとうクリニック内科・消化器科の佐藤です。今朝は「コンドロイチン・グルコサミンは膝関節症に有効?」という報告です。
説得力のある利益のエビデンスがないにもかかわらず、コンドロイチンおよびグルコサミンが変形性膝関節症患者の治療に使用され続けている。過去の試験において、この組み合わせは全体では関節痛を有意に軽減させなかったが、中等度から重度の変形性膝関節症患者における部分解析は、ある程度の利益を示した。その他の複数の試験(妥当性が疑わしい)が、コンドロイチン/グルコサミンの効能は鎮痛剤と同等であることを示唆した。今回の新しい試験において、スペインの研究者らが、中等度から重度の変形性関節症を有する患者164人において、1日1回のコンドロイチン/グルコサミン(1,200mg/1,500mg)とプラセボとを比較した。
患者119人が6ヵ月間の治療を完了した。有害事象および試験実施計画書からの逸脱のために脱落した患者はコンドロイチン/グルコサミン群のほうが多かった。6ヵ月の時点で、疼痛スコアの平均はプラセボ群でベースラインから33%低下し、コンドロイチン/グルコサミン群での低下は19%で、有意な差であった。患者が報告した疼痛および機能の指標のいずれも、また研究者による疾患活動性の全般的評価も、群間差はなかった。
今回の研究において、コンドロイチン/グルコサミンの投与を受けた中等度から重度の変形性関節症を有する患者のアウトカムは、プラセボの投与を受けた患者と比較して、同様または劣っていた。この結果は、統計学的検出に限界があった、またはコンドロイチン/グルコサミンの投与量が不適切であったことで説明がつくかもしれないが、もっとも可能性が高い説明は、この患者集団においてコンドロイチン/グルコサミンは実のところプラセボより優れていない、ということかも知れない。
よくテレビコマーシャルでも膝関節症にコンドロイチン・グルコサミンが有効と宣伝していますが...少なくとも飲み薬としての医学的な有効性はどうも確立していないようですね。

17.2.6 ポインセチア

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